先日、MAXONのCompressorをレビューした際
tsunoworks( http://tsunoworks.blog.fc2.com/ )さんより、MAXONのCompandorを所持されていると連絡いただいたため、急遽お借りして弾き比べをしてみることに。
しかもおまけで80年頃のヴィンテージMXR dynacompもお借りしました(全然おまけじゃない…!)
今回はお借りした2つのコンプを加えつつ、簡単に各コンプの比較レビューをしていきます
MAXON Compressor (70s)
まずは70年代末のヴィンテージMAXONのコンプレッサー。
回路はMXRのdynacompとは別で、BOSSのCS-1に近い。
このコンプ、レビュー時には圧縮が少なく自然と書いたようなきがしますが
よくよく弾き比べたら恐らくコンプのアタックがかなり早く、全体的に均一にコンプレッションがかかるため自然に感じてたようで、実は結構がっつりコンプかかってますね。とはいえ薄味なのとチューブ感、音量の低さは前回レビューした通り。
MAXON Compressor (80s)
70年代のLED、アダプタ無しとくらべて音は元気で太いですがよりコンプらしいパツっと感があります。これはアタックが遅くなったというよりは音量と中低域が盛り上がって良く効いているように感じるのかも。とはいえバランスが取れた良いコンプです。
MAXON Compandor (70s)
こちらも70年代末?初期のCompressorと同時期に発売され、こちらがMXR dynacomp系の回路でよりコンプらしい効きとして差別化されていたと推測できます。
音は同社のCompressorより音量が大きく、太く、コンプ的なアタック感
恐らくアタックがComoressorより遅い分ピッキングが強調され元気な音に繋がってるんだとおもいます。
太い、コンプ的と言いましたが、劇的な違いは無く、音量とアタックの速さの好みで
どちらかを選ぶという感じになるかと思います。
Compressorは均一で圧縮されたアタックの安定感とスッキリさからベースやハムバッカーのギター向き、
Compandorははっきりした出音とアタックからシングル向きです。
また、歪んだアンプや歪みのインプットを下げてクランチを作る使い方では
素直なCompressorがより向いています。
MXR dynacomp (1981)
所持しているヴィンテージのダイナコンプ。これは81年のMXR最終仕様のものだと思われ、LEDとアダプタジャックがついて使いやすいモデルです。
音はMAXONのものと比べてよりハッキリ、帯域のバランスが良く、
チキンピッキングやカッティングでのスタンダードの使い方から。
コンプでありながらコードをじゃかじゃかかき鳴らしても良い感じです。
MXR dynacomp (1980)
基本は81と同じキャラですが、表現としてはこう…瑞々しいという表現になるのか…
というくらい、プリッとして空気感のありふくよか、プリアンプ的に使えるコンプです
そこまでパツパツもしておらず、ちょうどよいプレゼンスと若干の歪み感も付加されるので
よりコード弾きに適しています。歪まないトランスペアレント系オーバードライブ という表現があっているかも。
MaxonのものではやはりCompandorが一番近いですが、雰囲気はLED付きのCompressorも近い気がします。
…でもプリアンプに使えるのは80dynacompだけかも…めちゃくちゃ良いですねぇ…これ
MAXON CP-9 Compressor
番外編。これは80年代中期~後期のオリジナルです。
RIDEのギタリスト アンディ・ベル使用で有名なコンプで、これもプリアンプ的に使えるのですがかなりハイが強く、マーシャルのクランチをほうふつとさせるコンプ感です
コンプレッションは低い方で、恐らく70年代のCompressorの流れを汲んだサウンドメイク+コンプでなくなった高域の補助のためにこの音色になっているんだと思います。
dynacompとは一切似ている箇所が無いので、これがMAXON流コンプのオリジナリティなんでしょうか。
アタックノブで調整できるのも魅力ですが、個人的にオススメなのが全てのパラメーターを全開にするセッティング。コーラスがぐしゃぐしゃにならない程度の歪み感とサステインが得られてthe80年代な雰囲気です。