Devi Ever / Hyperion レビューと Soda Meiser との違い

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ノイジーでローファイなファズペダルを多数リリースしている
devi everの中でも特に「ビッグマフキラー」として名高い初期の名機。

devieverの各種モデルはデザインやコントロール仕様・販売元等が
時期によって結構変わっていて、音も微妙に違う感じがするのですが
本機は絵柄やコントロールを見るに初期の方の個体っぽいです

 

コントロールはVolumeとControl

Volumeは音量で比較的大きめ。セッティングによっては10時以降上げられない!

みたいになることもあるので、音量下げたい場合は向かないですが

音量が足りずに困ることは無いです。

 

Controlは歪みの質をコントロールするノブで、

Control最小だとギター側のトーンをすべて絞って電圧を下げて少しベルクロぽくなった

RATのようなローファイディストーション的な雰囲気で、ノイズが皆無な代わりにギター側のボリュームを絞るとすぐに無音になりますが

Controlをあげていくとスーパーファズのようなオクターブファズっぽいブジャっとした

歪みを伴った高域が出てきます。

Controlを上げていくほどジャキっとした部分が出てきますが、上記の通りオクターブファズっぽい
ギターの自然な歪みじゃない作ったような高域のジャキジャキ感が他では味わえない
感触で結構癖になります。

少し音の芯が残る感じがオーバードライブ味も感じ、意外と複雑なトーンです
意外とコード感も無くならずぐしゃぐしゃになりにくいので意外とメインの歪み
としても使えます。
ただコードを弾いた時の音は分離があるにもかかわらずブシャっとした歪みの質からか
塊として音が出てくる感触があります。

Controlを上げるとベルクロ感も無くなり、ノイズも出てきますが、ファズにしては
かなりノイズが少ない方なので全体的に扱いやすいです。

ローがそこまで出るタイプではないのでハムバッカーのギターにもいい感じで
意外とギターを選ばないのも名機と言われる所以でしょうか

欠点として、インピーダンスに影響を受けるタイプの回路なため
ローインピーダンスに変換した後だとハイとノイズがかなり増えます
BOSS等のバイパス時にもバッファを通るタイプのペダルや、前段で歪みを
ONにしておいて後段でHyperionを重ね掛け…というような使い方には
あまり向いておらず、あまりボードの組み込みの取り回しが良くないです。

 

■BIGMUFFキラー?

リリース当初BIG MUFFとして賞賛されたよう(実際に手にしたユーザーが言い始めた
のか、最初から製品の宣伝文句として存在していたのかは謎)ですが、
正直マフとは似ていないです。というか似ていないからこそBIG MUFFを殺す
新世代ファズとして受け入れられた部分もありそう。

クリーンからコードをかきむしるエモーショナルなファズとしての使い方をする場合
たしかにマフよりもコード感が出て、弾く本人の「弦をかきむしってる手応え」を強く
感じるのでそのあたりが強みですね。ローが出すぎないのも抜けに直結している
ように思います。
ただ、前記の通り前段にバッファやほかの歪みがある場合は音が変わるので、
マフのようにメイン歪みの後につないで歪みを上書きするような使い方はできません。

むしろHyperionの後段にビッグマフを繋いでさらに歪み量と轟音感を増やす手法は
かなり相性が良いので、BIGMUFFキラーというよりマフがすでに入っているボードには
追加で入れてもいいくらい

 

■Soda Meiserとの比較

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同じく初期の名機とされるSoda Meiserとの比較
単体レビューはこちら↓

nota-p.hatenablog.com

 

両機ともControlノブを上げていくと歪み感を伴ったオクターブファズっぽい歪み
が出てくるのは変わらないですが、Sode MeiserはHyperionとくらべてかなり低域寄り
でブーミーかつ太く、コードよりも単音リードやパワーコード、ヘヴィな轟音向きです

また、Soda Meiserもインピーダンスで音が変わるタイプですが、ローがもともと
かなり強く、しかもバッファ後でも安定して低域が出るため、むしろバッファ後の

ほうが使いやすい感じがあり、前段の歪み受けも良いため、
BIGMUFFと同じ使い方ができるのはSoda Meiserの方です。

Hyperionは単体で音が完成されてるため、クリーン主体で激しくしたいときに

一気に歪ませるセッティング向け、Soda Meiserは基本ギターの音が歪んでいて

後段でさらに歪ませたり大きな音を出したい人向けです。

 

歪みの質は同じ感じですが音はかなり違うので購入を検討されている方は

用途によって選んだ方がよさそうです。