ファズフェイスやマフなどのクローンで定評のあるレナンドカフから、78年オペアンプバージョンBIGMUFFのクローン。
もともとEYE SEE Piとして2015年に大きめのサイズで発売、その後だいたいMXRくらいのサイズまでダウンサイズ。EYE SEE '78に名称変更され、
この度オリジナルのUSA BIGMUFFサイズのスペシャルバージョンとしてリリース。
ピンクのプリントとICのイラスト、特徴的なフォントがなんともかわいい。
ちなみに筆者はオリジナルのオペアンプ期マフは未経験。エレハモのナノリイシューやそのほかのマフはそれなりに経験しています。
厳密なオリジナルとの比較はできませんのであしからず。
コントロールは
VOLUME TONE SUSTAIN、ジャック面にトーンバイパススイッチと
オリジナルと同じ仕様。筐体は重めでしっかりとしています。
音はかなりディストーション寄りでトーンを上げていくとブジュっとして
高域のざらつきが追加されますが、ほかのマフのように強いミッドスクープが
あるわけではなく、その部分がディストーションっぽいのかも。
低域のグズグズした感じも薄いですが低音が弱いというわけではなく、
むしろトーンを下げ目にしたときに普通のマフではこもりがちな設定でも
高域がマスクされにくくバランスよく低音が出るため、スイートスポットが
広く、力強いストーナーや低音のリフ・パワーコードに最適な音が得られます。
これちょうどトーンを高域寄りに設定しても低音が残るため右回し気味の
設定でバランスが取れるロシアンマフと逆の使い心地で、ミドル~中高域がどこでも安定して出る分トーン左回し気味の設定が映える感じで
新しいマフの使い方ができそう。
トーンバイパススイッチはトーンノブをオミットしてよりオープンなサウンドにするスイッチ。
音量が上がり、ミドルが出る感じで、アンサンブルでの音抜けはかなり増しますがオーバードライブ的な音のピークになり、高域が丸くなります。
もともとのミッドスクープの少なさから他のトーンバイパスを搭載したマフより扱いやすい印象がありますね。
前段にバッファやほかの歪みと組み合わせても良好。
特に音が損なわれることなくバランスが良いです。
エレハモのナノオペアンプ(記憶)と比べると基本の音の印象は同じ。
ローが崩れていない、パワーコードやブリッジミュートでザクザクいける
ディストーションのようなファズという認識は共通。
ナノオペアンプの方がもう少しファズっぽい印象だった気がします。
あとトーン下げたときの挙動はEYE SEE 78の方が使いやすいかも。
全体的に高域の突き刺す荒々しさや低音のブーブー感は劣るので、人によってはビッグマフと認めたくない音かも。
そういう意味では普通のマフを求める人にとって不人気なモデルだったのは
頷けます。
中にトリムポットあり。
ミドルの調整です。最小でデフォルト、ミドルを上げていくのみ。
上げていくと確かにミドルが出てきますが、その分トーンの効きが悪くなります。
マシマシにするよりは慎重に自分の環境に合う微調整をするのがよさそう。
僕は最小(初期設定)が好み。
あまり関係はないですがオマケで88年のオペアンプ方トランジスタに仕様が戻った第3期マフとの弾き比べ。
やはりトーンのミッドスクープ感がいちばん大きな違いに思います。
3期はよりミッドスクープが深く、激しいドンシャリという感じで
迫力はあるが埋もれやすいのでトーンを上げ目に設定したくなる音。
EYE SEE 78はトーン下げ目で太い音を作りたくなる音ですね。
歪み量は第3期の方が深く聞こえます。
意外とトーンバイパス時の音はどちらもとても良く似ていました。
音量はEYE SEE 78の方はカーブが現行マフと同じ感じの14時くらいから音量上がるタイプですが、最大音量はほぼ同じ。
EYE SEE が取り立てて音が大きいというわけではないですが、通常使用では困らない程度。ミドルが出ている分良く音が出ているように聞こえますね。
以上。値段は高めですがさすがWren and Cuffクオリティで上品ながら
しっかり爆発的な音が出るのが素晴らしい。
小さいモデルも欲しくなりました。