JPTR FX / WARLOW FUZZ レビューと比較

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ドイツの新興メーカー。JPTRでジュピターと読むらしい。

モノトーンで無骨な見た目がドイツの厳しい寒さを感じて好きなデザインです。

 

コントロールはボリューム、トーン、サステイン、トーンフィルタースイッチ

見た目やコントロールから分かる通り、マフ系で、特にオペアンプマフを元にしているみたいです。

 

基本の音はオペアンプマフの低域が効いたウーリーな壁感、ゲインの高さ、他のマフと比べディストーションっぽく纏まってるのに高域〜倍音は広く拡散しているような気持ちの良い歪み感はしっかり捉えている感じで、

オペアンプマフの代用として十分使えると思います。

 

サステインノブ下にあるトグルスイッチはトーンフィルターを操作するものらしく、公式の説明文には

"Filter SwitchによるMuff* Style FilterとRat Style Filterの切り替えが可能。スイッチがジャック側にある場合はRat Style Filterが、フットスイッチ側にある場合はMuff Style Filterが選択されます。出荷時はRat Style Filterが選択されています。"

とのことで、2ポジションでマフ的なトーンかRAT的なトーンか選べるのか〜と思っていたらなんと3ポジションでした。

新品での購入なのでmodされている可能性は無く、バージョン違い?

トグルスイッチ上と下のポジションは説明の通り、上がミッドスクープ

され、トーン時計回りで高域が上がって低域が下がり、反時計回りで逆の

スタンダードなマフスタイルのトーン

下がRATのようにノブを右に回すと高域が抑えられるハイカットフィルターですが、

言ってしまえばオペアンプマフに搭載されているトーンバイパスモードに

イカットの機能が追加されただけともいえます

イカットしていくとフラットなトーンバイパスマフサウンドからだんだん音が

もったりと重たくなっていき、ファズフェイスのような粘りとスモーキーなファズ音

になります。

ベースでの使用や前段か後段に他の歪みを使ったり、アンプの設定次第では

かなり使えるコントロールです。

RATっぽい!というよりはトーンバイパスモードにハイカットフィルターが

あるという認識で操作すれば迷うことはないはず

音量はかなり大きめのモードですが、ハイカットしていくと音量も下がるため

適宜ボリュームもコントロールしてやる必要があります。

 

そして問題のトグルスイッチ真ん中のモードは鳴らした感じどうやら上のマフスタイルのトーンと下のハイカットフィルターが並列でミックスされているような感じで

左回し切り~12時まではハイカット、12時~右回し切りまでがマフスタイルのトーン

といった感じ、どちらかに回し切った音は各トグルポジションの回し切った音と同じです。

この真ん中のモードが結構良くて、

基本のオペアンプマフの音にトーンバイパスが混ざってミドルも程よく出て抜けが良く

トーンを絞っても12時以下はハイカットスタイルなので通常のマフのトーンより

こもらず、トーンバイパスの自然でフラットな歪みも味わえるバランスが良い且つ

唯一無二のトーンがあるモードです。

音量も下のモード程ではないですが上がるため、全体的にモディファイされたマフ

のようなバランスの良さとハイファイさがあります。

 

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中身はこんな感じでシンプル。電池は使用できません。

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このバージョンは内部にスイッチがあり

おそらくクリッピングを変更するものと思われます。

スイッチを切り替えてみると大きくは変わりませんが、歪みが若干浅くなり、エッジが丸くなる印象。

 

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最後に、手持ちのオペアンプマフ レナンドカフのEYE SEE '78と比較。

WARLOWのトグルは上のノーマルポジションで比べると全体的な質感は結構似てます。

歪み量はEYE SEEが深く、サステイン

コントロール11時くらいからもう歪み切ってる感じですが、WARLOWは割と常識的な効きで、

サステイン最大でマフらしい暴れる音になり、12時付近では他の歪みとも合わせたりできるクリーミーさ。

ボリュームは若干WARLOWの方が大きいです。

弾きごことはかなり近く、設定によってはほぼ同じ音にできます。

海外サイトをあさってみると、WARLOWはオペアンプの変更とクリッピングが一部減らす変更がされたオペアンプマフらしいとのことですが

確かにそんな感じ。クリッピングが減っている分、サステインの歪み始めが遅く

音量が若干大きくなっているのかも。サステイン最大値ではWARLOWの方がEYE SEEより若干歪み少ないかな?という感じですが、そもそもEYE SEEの歪みが深すぎて

最大値ではグズグズになるのでWARLOWくらいが常識的であはります。

 

以上。挑戦的な見た目に依らず、かなりスタンダートかつ現場寄りの実用的なチューンナップがなされた

非常に使いやすいオペアンプマフ系のファズです。

サイズもUSAフルサイズのマフより一回り小さく、取り回しも良いのでおすすめ。