Noel / Voile と Victoire レビュー

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2017年発売。マフ系ファズと内部基板の精密さに定評がある日本のメーカーです。

 

なぜかここ2〜3年、この2機種をハードオフで見かける機会が多く、気になっていたので購入。

赤い方がオーバードライブのVoile(ヴォワール)

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青い方がディストーションのVictoir(ヴィクトワール)

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この2台、基本のキャラクターが似ていて

どちらもビッグマフのSUSTAINノブ9時〜12時付近の音をそれぞれオーバードライブやディストーション的なアプローチでサウンドメイクしたペダルのような感触です。

(CMOSを使用した回路のため設計はマフとは違います)

どちらも溢れて飽和するような低域、主張しすぎないハイ。圧が強すぎるかと思いきや全体的に柔らかい風味で、飽和感があるのに奥行きがあります。

ジャキジャキ系とは無縁のサウンドで、マフと同じくローのもたつきやハイの枯れた感じを乗りこなすタイプの渋い歪みです。

トーンは普通のハイカット方式ですが、両機ともトーン最大からいらなければ削る方向が良いです。低域はどの位置でも安定してあり、無くなりません。

雰囲気としてはfrantonepeach fuzzやphantom fxのmotherに少し共通点を感じます。

ビンテージっぽい音のフラットさもあり好印象…ですが、どちらも音のバランスが独特で

マフみたいなロー、分離とは無縁のモリモリした歪み方、普通のペダルと比べて出てこないハイ…と初見で面食らうかもしれません。

このもりもりした歪み感は1ボリュームタイプのアンプを無理やり歪ませた時の整理されていない歪みにも似ているかも。とにかく、特徴的で、ファズではないにせよマフのフィーリングを感じる歪みです。

あと驚くほどノイズが少ないです。内部の配線の方式でしょうか?すごい。

 

ちなみに各ノブは40段階のクリックがついているタイプ

筐体の手触りも良く、重厚感があります。

 

■Voile と Victoireの違い

当たり前ですがディストーションであるVictoire

の方がゲインが高く良く歪みます。

Victoire少しRATのようなニュアンスのエッジがあってディストーション的、Voileは気持ちミドルがあって柔らかいオーバードライブ的なチューニングがされていますが、違いは僅かでバリエーションのような立ち位置ですね。

できれば弾き比べてみて、プレイスタイルに合う方を買うと良いかも

 

■使い方

前段にバッファがあるとコード感が明瞭になり

ハイも適度に出る感じで全体的に使いやすくなります。

どちらの機種もTSその他ブースターに使えるODやトレブルブースターとの相性が抜群で、ブーストした時の挙動がアンプっぽいです。

逆にアンプの歪みをブーストする場合はファズフェイスのような、ファズ的なブースターとしての使い方ができます(ギターvolの追従はまあまあ良い方)

おすすめは両機種ともローゲインで設定して、アンプの直前に置いたプリアンプ的な使い方。安定した低域とソフトなハイで全体をまとめることができます。

 

■追記

大事なことを書き忘れたんですが、この2機種ベースで使っても面白いです。

ナチュラルなドライブではなく矩形波のやっぱりマフ的な歪み方なんですがノイズが少なくファズの荒さを感じない感触で、トーンも低域が無くならないため使いやすいです。