2007年創業 カリフォルニアのブティックペダルメーカーのオーバードライブ
「ABUNAI」はビルダーのペットの名前らしい。インパクトがあるネーミング
現行品は「ABUNAI2」ですが、どう違うかは不明。
廉価版でほぼ変わりないという話から無印のが太いという話まで散見されますが、
基本的な仕様や設計は変わってない?
コントロールはLevel Tone Drive と3wayのスイッチ
TSをベースにした3モードOD…ランドグラフのDODインスパイアモデルで
昔結構人気あった記憶があります。
3モードODとしてくくられるモデルは、筆者は
Visionの3mode overdrive、CMAT MODSのSignaDrive、VFEのPale Horse
等を経験したことがあるのですが、その印象を踏まえて書くと
結構スタンダードな3モードOD。
コードの明瞭さやバリンバリンとガラスをはじいたような
クランチサウンドはSignaDriveに軍配にあがりますが、
音の太さはVisionに結構近く、存在感と伸びがあります。
スイッチの仕様は以下公式サイトを引用(ABUNAI2の説明)
3ウェイミニトグル:
ABUNAI 2™オーバードライブペダルには3つの異なるクリッピングセクションがあります。•左側位置は対称クリッピングを使用し、クリッピング バリエーションの中で最も「アンプらしい」特性を持っています。このポジションは、他の 2 つのポジションと比較して、ゲインとコンプレッションが最も大きくなります。•右側位置では、非対称クリッピングが行われます。この位置では、右側の位置に比べて出力音量が大きくなっていることがわかります。そのため、レベル コントロールを調整して補正してください。非対称クリッピングは、他の 2 つの位置と比較して、より「クラシック」な品質を生み出します。•中間位置は「ダイオードリフト」位置とも呼ばれます。左と右の位置では信号をクリップするためにダイオードを使用しますが、中央の位置にはダイオードがないため、結果として得られるトーンは他の 2 つの位置よりも「オープン」になります。注:中央の位置は出力音量が最も高くなるため、この位置を設定するときは注意してください。
つまり、(おそらくシリコンダイオードによる)対称クリップ⇄クリッピングなし⇄非対称クリップ?らしいですが
弾いた感じ音量差は中央>左>>右といった感じで説明通りではない気がします
(説明文の最初の右側と左側に表記に誤植ある?)
音の感じは左右のポジションではTSっぽいコンプレッション感があるODで
通常のTS系より原音が混ざっている…というか歪みが浮いているような感じがせず、メイン歪みとして使えるような調整がされている感触
左ポジションですこし歪みにエッジが加わりオープンになるので
右はDrive抑えめ、左はDrive高めの設定で行くと良い感じになりそう。
中央のポジションはノンクリッピングのため音量がかなり上がりますが、
歪みが減るわけではなく、むしろ3つのモードの中で一番歪み、
TSっぽいクリッピングによる圧縮が無い分ディストーションらしい
野太さと反応性がある印象。他のモードとは別物です。
どのモードでも高域が出すぎず、倍音感があるため
トーンを下げてもこもりすぎない、あげても耳に痛くなりすぎない感じが
操作しやすいですね。最小から最大まで幅広く使えます。
音の全体の印象としてはどのモード、どの設定でも音が太いです。
い意味でも悪い意味でも取り除けない主張するローがあり、
どちらかというとシングルコイルのリア向き。Drive下げ目だと少し
そっけない反応ですが、Driveを上げれば上げるほど音も伸び気持ちよく弾けます。
ギターボリュームの反応はモードにもよりますがそこそこ。
凄く良く効くみたいな感じではないですが、問題ないレベル。
ピッキングニュアンスは近年のトランスペアレント系やRAT、BD-2などの
ジャキっとしたペダルと比べるとやはりTS系ベースなので
そこまで反応が良いようには感じませんが、それも弾きやすさにつながっていると思います。
常に中低域が充実していてドスが効いてるので弾いているときの安定感が
あり、メインドライブとして使ってもアンプやほかペダルをブーストして
使うときにも便利です。
メイン歪みとして使って、前段にTSを置いてブーストしてもいい感じ
状況によって対応できる幅も広く、3モードODが流行ったのも理解できる
サウンドです。
以上。ランドグラフは高すぎるけど3モードOD試してみたい、ブーストでもメインでも行ける良いODが欲しい方はおすすめ
今特別プレミアついてる感じはないですが、店によって相場が大きく異なる印象あるので安いところ見つけたらぜひ