electro-harmonix, JHS PEDALS / LIZARD QUEEN octave/distortion レビュー

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2023年発売の新作オクターブファズディストーション

JHS発案で70年代に本当にありそうなエレハモのペダルのコンセプトから制作

その後エレハモとのコラボに発展→一般販売に至るという珍しい展開のモデル

 

 

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回路。トランジスタは多そうですがシンプルに見えます

 

コントロールはVOLUME, BALANCE, OCTAVE

ゲインは固定でまぁまぁ歪んでます。歪みの質はマフ系に近く、

音がコードも単音も重いストーナーに向いた音色ですが

ギター側のボリュームにかなり過敏に反応します。

後記のBALANCEノブの兼ね合いでshadow側にしておくとボリューム絞って

ジャキっとしたクランチ→ボリュームを上げてファズのような使い方ができます。

マフより若干ディストーション寄りでミドルが出てます。

BALANCEは左側にshadow右側にsunと書かれており、弾いた感じだと

トーンというより電圧を操作するような感覚があります。

shadow側にすると低域が豊潤かつ元気な感じになり、ボリューム絞った時の

挙動も歪みがすっと落ちるような自然な感じがあります。

sun側にするとだんだんと歪みがザリザリしてきてサステインが落ち、

高域含めたオクターブ成分が強調された刺激的な音になります。

ボリュームを絞った時もきれいに歪みが落ちなくなるもしくはサステインが

よりすぐ消える感じでこのコンプレッション感はdevi everっぽい雰囲気を感じますね。

 

OVTAVEは文字通りアッパーオクターブ成分を追加するノブです。

オクターブ感はOVTAVIAやTONE MACHINE系というよりGREEN RINGER系の

リングモジュレーター感のあるあまりオクターブ上がはっきり出ない

高域のビィン!といったニュアンスを追加しつつコードの明瞭さを滲ませる

タイプのもの。

そのため、アッパーオクターブに期待するというよりはアナログの

オクターブファズを使ったときに感じる挙動の不安定さやノイズ感と

高域のキレを味わう感じです。

もちろんOVTAVEノブを最大にして12フレットあたりで単音弾きをすれば

オクターブ上の音は十分聞こえますが、オクターブ追加した状態で

ローフレットでコードを弾いてもぐしゃぐしゃになりにくい良いバランスです。

 

BALANCEノブはOCTAVEノブが上がっている状態でより効果を発揮します。

オクターブが追加されている状態でBALANCEをsun側に回すとだんだん

EQのバランスがフラットになっていき、オクターブ成分もホワイトノイズのようなコードが不明瞭で粒が細かいザーーーーっとした音になっていきます。

 

前段にバッファがあると露骨に音が変わるタイプで、そこもマフとの違い

がありますね。

バッファ後だと極端にジャキジャキしてファズっぽくなくなり高域が暴れます。

ギター側のトーンを絞れば使えないことはないですが、

システムに組み込むよりもアンプとこのペダル一台で完結させるような

潔いセッティングが向いてると思います。

 

以上、コントロールにコツが必要だったりバッファなし前提だったりと

独特な音色も相まってエレハモ初期のフィーリングを感じる面白いペダルです。

オクターブファズを複数台持っている人でも何かのクローンではない音なので

面白いと思います。ぜひ。

 

--追記--

ベースにかなーーーり合う音色をしています。

sun側に回すとゲートファズっぽくノイズもなくなっていくため

歪みの深さとキレが相まって扱いやすいです。

blend機能がないのが玉に瑕ですが、ブレンド追加した

LIZARD QUEEN BASSみたいなモデル出たら人気出そう