RCブースターは2008年のスコットヘンダーソンシグネイチャーモデルの発表以降、
通常モデルもシグネイチャーモデル仕様にモデルチェンジし、同時(?)にスイッチ形状とLEDを変更しそれが後期型と言われているようで、
前回レビューしたモデルはその後期のものに該当します。
ネットの情報で、2008年以降の初期モデルは多少音が違うとの話で気になったので購入。
比較します
RC初期型
スイッチのすぐ上に赤いLEDが付いている場合は初期型
まずEQフラット、ゲイン最小で弾くと結構こもります。同じブースターだとLPB-1並にハイカットされる感じですが、同時にプレゼンスの領域が乗っかるため、暑苦しさやモコモコした感じはなく独特の太さと奥行きが付加されます。
RCの初期型はまさにこのハイカット+プレゼンス追加の奥行き感がキモで、後期型と一番違う箇所かも
EQの効きはトレブルがほぼプレゼンスコントロールのため、キラキラしますがあげても痛くなりません。下げても音の芯は残るのでちょうど良いか効きがわるいかは受け取り方次第か
ベースはギターのローミッドを押さえたポイントなので上げ下げしやすいです。
あと前期型はゲインがかなり効きます。
歪むというより細かく割れるような音で、
ちょうどトレブルブースターで出るような歪み感。ブースターとして優秀です。
ゲインを上げた時にトレブルを上げるとかなり歪み成分が強調され、オーバードライブでもディストーションでもない独特の歪み感が癖になるかも。
荒い割にかなり細かく歪むので、前段にメイン歪みを置いてボリュームと歪み量を増すブースターとしての使用もあり。
RC後期型
筐体上部に青いLEDが付いていれば後期型
初期型と比べると膜が2枚くらい剥がされたかのようなクリスタルクリーン。澄み切ってます。
トレブルはちゃんと高域、ベースはかなり低いところまで弄れて、名前通りの仕事をしてくれる感じで、生真面目です。
ゲインはあげていくとジャリジャリしていき、フェンダーアンプを無理やりボリューム上げたようなゴリンとしたクランチに。
クリーントーンの艶出し目的な意味合いを感じます。
初期型後期型に共通しているのは、両方ともフェンダーアンプライクな煌びやかさを感じる点。
ただ表現の方法がそれぞれ違う感じで、
初期型はハイカットとプレゼンスによる奥行きと太さ
後期型は弦の質感を生かしたトレブルとアンプいじってるかのような低いベース
で、どちらもキャラは違うが甲乙つけがたい感じ。
後期型はプリアンプやクリーンブースターとして、おおよそ現在RCブースターで評価されているセオリー通りに使えるのに対し、
初期型は独特のEQとゲインコントロールで
アンプやペダルの歪みをプッシュするゲインブースターとして、もしくはメインの歪みとして非常にキャラが立っています。
個人的には後期型も素晴らしいですが、
初期型が特に味があり好きでした。みなさんも見かけたらぜひ試してみてください