MXR/CAE / MC402 BOOST/ODのレビューと活用方法

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MXRとCAE(Custom Audio Electronics)のコラボシリーズとして2000年代終わりから10年代始まりくらいにリリースされたモデル。

 

オーバードライブの後段にクリーンブーストが付き、それぞれ独立している BOX OF ROCKと同じ機構で使い勝手も良く、クリーンブーストは透明感と艶がありかなり好評でしたが、オーバードライブセクションは賛否分かれた(というより否が多め)

ようで、CAEが過去リリースしていたFreddy Fuzz(BLACK CAT OD-1)を彷彿とさせる音色の硬く且つ荒く歪む低域豊かな音色で、TSのようなオーソドックスで扱いやすいODを想像していた当時のユーザーからは扱いが難しく不評だったようです。

 

かっちりした外見やCAEのイメージから優等生な印象がありますが、改めて弾くと野性味がありクセが強くたしかに扱いが難しい印象はあります。

個人的に大好きな歪みなので、気になっている方や買ったけどうまく使えなかった…って方のために具体的な使用法のサンプルや豆知識を踏まえて紹介したいと思います。

 

■ODセクションはBLACK CAT OD-1に似ている

前述のとおり、BLACK CATがリリースしているファズブースターの名義OD-1にトーンが追加されたようなキャラクターで、オーバードライブというよりはローゲインなファズです。

トーンを上げすぎなければシングルコイルの音を太く補正するような荒めのクランチを作ることができ、そしておそらくこのファジーなクランチがMC402の個性です。

少し硬めの音のため、JCをはじめとしたトランジスタアンプとの相性は良くないかもしれませんが、チューブアンプの薄いクランチと合わせると補正しあって存在感のあるサウンドになります。

 

■バッファの影響を受ける

オーバードライブセクションの音質がハイ上がりになります。トーンが暴れて甘い音が出なくなる代わりにコード感も若干明瞭になるのでここは好みや使用ギターで前段にバッファ置くかどうかを判断しても良いかも

 

■(おそらく)他のエフェクターとの組み合わせを想定されていない

基本的に他の歪みと組み合わせて使用する場合の相性は良くないです。

前述のバッファもそうですが、レベルをある程度上げないとハリが出てこないので音量が合わない場合が多いのが大きいと思っています。

このペダルは特に単体で使用してアンプの歪みと組み合わせた時に力を発揮するタイプのペダルで、オーバードライブセクションとアンプの歪みの間にクリーンブースターが挟まる形になることによって、クリーンブースターでオーバードライブセクションの音量を押し上げ、さらにアンプをオーバードライブの音でブーストするという使い方が一番はまるような感じがします。

ODセクション、VOL2時、TONE1時、GAIN11時

ブーストセクション、VOLフルでクランチのアンプに繋ぎ、基本のバッキングをODセクションで、歪みと音量を一気に増やす時にブースターをONにするような使用法を試していただくと、野性味溢れるのに使いやすいペダルのキャラが実感できるかと思います。

 

■18Vでの駆動で音が変わる

公式で9-18vで駆動可能と案内されており。

OD、ブースト両セクション共に音が変わります。

ODはファズらしさが薄くなり、解像度高く、低域のボワつきがなくなる感じ

ブーストはふくよかになり重心が気持ち下がります。

どちらもわかりやすい変わり方なので、

一度試してみると印象が変わるかも。

 

以上。決して器用で優等生なモデルではないが、ライブや大きい音で鳴らすことに特化した実践・現場的なモデルだということを意識して触れてみるとなかなか納得できる音をしていると思います。見かけたらぜひ買って、使い込んでみてください