1989年に開発、1990年に発売されたSansAmp(いわゆるClassicと呼ばれているモデル)の後継機でより簡単に・一般的なGAIN、HIGH、LOW、VOLUMEノブで操作できるようになり、初代の8つのスイッチから目的別に分かれた3種類x3ポジションのスイッチに変わりました。
基本の音は初代と比べてかなりラウドで低域と高域が良く出るし迫力があります。
音量も大きめで選択するモデルにもよりますが全体的によく歪みEQの利きも広く
多くの人が想像するクランチ~ディストーションサウンドが作りやすいモデルです。
■MICスイッチ
・OFF AXIS
・CENTER
・CLASSIC
とあり、キャビネットを収録するときのマイク位置のシミュレーションですが
現代のキャビシミュと比べると空気感はないです。
キャビシミュというよりEQのオプションと考えると本機がアンプシミュレーター
としてではなく普通の歪み物としてボードに組み込みやすいことが
分かると思います。
OFF AXISで高域抑え目、CENTERでハイのブライトさ、CLASSICで高域と低域を
削っておいしいミドルが出るバランス
■MODスイッチ
ゲイン量の調整CLEANがいちばん歪みが低く音量が大きい
HIGAIN→HOT WIREDの順でゲインが上がっていきますがクリッピングを
変えているのか若干コンプレッション感も上がり、弾き心地が微妙に異なります
HIGAINが全体的に食いつきが良い感じがして好きです。
■AMPスイッチ
サンズアンプシリーズでおなじみのモデリング
ざっくりと
TWEED→フェンダー系 ジャキジャキ低ゲイン クランチ
BRITISH→マーシャル系 ギャリギャリ中高域 中ゲイン ディストーション
CARIFORNIA→メサブギー系 ミドル特化のハイゲイン ファズディストーション
という感じでそれぞれのチャンネルに個性があります。
特にCARIFORNIAは面白いくらい歪んでくれるしミドルも出てバンドの中でも
主張しやすい音になるのでおすすめです。
現代の目線で見るとクランチは少し見劣りするというかエフェクターらしい
バリっとした感じがあり好き嫌い別れそうですが、ハイゲイン設定だと
現代でも十分通用しそうな音です。
■仕様の違い
GT-2は結構時期によって仕様の違いがあり、
1.初期
・アダプターが旧式のRATやMUFFのようなピンタイプ
・LEDが本体上部についている
・裏蓋に電池ボックスの蓋が存在しない(電池使用可)
・スイッチが機械式
2.初期2
・アダプターが通常の仕様に変更
2.中期
・スイッチが電子式になりスイッチの背が低く・押し心地が柔らかく
スイッチのナットが六角形から円形になる
・電池ボックスの蓋が追加される
3.後期
・LEDがAMPスイッチの横に配置される
大体こんな感じの変遷をたどっていると思われます
(違う・もっと詳しい情報を持っている場合はコメントで教えてください)
今回は初期と中期のものを購入したのでその比較をします
■初期と中期の違い
先述の通り外見上の違いはアダプター、スイッチの仕様と電池蓋の有無
まず中期の方が明らかにゲインが高いです。初期のHOT WIREDが
中期のHIGAINくらい違いがあります。中期は基本的な音も少し
ドンシャリ寄りというか現代的でメタルチックな方向によっている感じがあるので
時代のニーズに合わせて細かく音を調整している…のかも?
逆に初期は暖かいミドル感があり、気持ちマフっぽいニュアンスの音の粘りも
感じます(ファズではないですが、ほんの少しファズ寄りのディストーション)
ので、シングルコイルユーザー、もしくはよく歪むけどいなためな
ディストーションが欲しい場合は初期が、ハムバッカーユーザーで
よりハイゲイン!よりミッドスクープ感!が欲しいのであれば中期以降を試してみる
ことをおすすめします。
共通の特徴としてTS系との相性がかなり良いです。またTWEEDでのクランチ設定は
あまりHIGHとLOWを上げすぎないのがコツ(12時より前で良い)