MAXON / ST-9 Super Tube Screamer レビュー

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エフェクター界の老舗MAXONから、名機TS-9/OD-9のバリエーションモデルとして発売。

シリアルから83年製。中身は艶ありの4558Dを2個搭載。

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MAXONの中で「Tube Screamer」の名前を関しているのはこのST-9だけです。

※Tube ScreamerはIbanezの商標でMAXONはOEM提供元。同じ回路のモデル

はありますが、Tube ScreamerではなくOverdriveとして販売しています。

 

コントロールはDRIVE, LEVEL, TONE, MIDBOOSTの4種類

MIDBOOST以外の操作感とクリーン音の周りに歪みがまとわりついた感じや

独特のコンプ感はまさにTS系ですが、思ったよりゲインと低域があり

MIDBOOSTの効果も相まってTSの代わりになるかといわれると微妙です。

むしろTSで手の届かない部分の音が出るといえば正しいのか…物足りないと

思われる部分が補強されているのがまさに”Super”といった感じ。

 

MIDBOOSTの機能はミドルが出るTSなのにまだミドル足すの!?と思っていたのですが、ただ単に中域を増すタイプではないようで

どちらかというと中高域(RATの高域のピークのような)カリっとした部分を

強調できるつまみで、最小を基準に上げるほどハイミッドを強調しつつ

低域が削られます。つまみ最小で通常のTSくらいのミドル感ですが、

低域があるので他のTSよりドスが効いています。

MIDBOOSTを最大付近の上げ目に設定するとコンプ感にも関係するのか

近年のトランスペアレントODなどに似たクリアでコードバッキングに映える

音になりかなり使いやすいです。

もちろんマーシャルなどの歪むアンプやペダル前のブースターとしても

MIDBOOSTはかなり有用で、ゲインが高めかつバイト感もあるので

TSでは得られないブースト感があります。

 

以上、TS好きな人もちょっとTS苦手…という人も触ってみるとおもしよいかも。

特にMIDBOOSTのカリっとして歪み感はTSのTS臭さをかなり緩和できるので

その点でもおすすめ。