Dwarfcraft / Shiva Fuzz V1 レビュー

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2000年代後期に発売された発振系ファズ。

DwarfcraftはZ.vex後、Devi Ever、Death By Audioとならんで

ブティックファズの一時代を気づいたメーカーで、近年はファズだけにとどまらずフェイザーやディレイ等に独特な機能を盛り込んだモデルも出ており、常に挑戦的な姿勢があります。

コントロールはvolume、texture、starveの3つのノブと2つの名前のないミニスイッチ。

触ってみた感じ左側はコンプ感(クリッピング?)の切り替え、右側は下に倒すと音量が跳ね上がり、発信音のオクターブが下がります。

回路はトランジスタ3つで非常にシンプル。

おそらくFUZZ FACTORYと同じでファズフェイスの派生だと思いますが、操作感や出音は独特です。

 

基本はゲイン固定、volumeで音量を決め、textureノブは歪みの質と大体の音質を決めるざっくりしたノブで

最小でミドル寄りのベルクロファズ、最大でドンシャリなファズオーバードライブ的な音になり

その間で音の質感を決める感じ。

ドンシャリと言ってもマフというよりスーパーファズ的なジリジリした歪み方で、どこの位置にしても基本は荒々しく無加工感漂う剥き出しのファズ音が好みの分かれるところだと思います。

低域はファズフェイスやマフほど豊かではなく、抜ける帯域に音が密集してます。

この辺りはファシズファクトリーに似ているかも。

ギター側のボリュームに対する追従性は良くはないですが悪くもなく、ラフにボリュームを下げるとファズディストーション的な音にすぐアクセスできる(クリーンにはならない)ので純粋に使いやすい塩梅です。

バッファの影響は受けます。ハイが出て発振しづらくなるので、使えるかどうかはその人次第

 

発振は右のstarveスイッチを押すとstarveノブで決めた位置の具合で鳴ります。

個体やバージョンによって操作感はまちまちかもしれませんが、自分の持っている個体では

イメージ通りの発信音を鳴らすのが難しいですが、しっかり設定すればファズファクより野太く力強い、ファズ音と混ざりが良い発振音がつくれます。

ミニスイッチでオクターブ下に設定すると壊れたシンセ的な低域の発振も出せたりかなり表情が豊かですが、ノブの位置はシビア。

スイッチを切ればすぐに発振が止まる(というか、starveスイッチを押さない限りはどんな設定でも発振しない)のはかなり使いやすいです。

 

音量はミニスイッチの設定により上下しますが基本的にどのモードでも小さいということはなく、十分以上です。ファズとして音は伸びますが歪み量はそこまで多くないので、余裕のある音量でアンプをプッシュしても良さそう。

 

以上。かなり操作は難しいですが、創造性に溢れるファズです。

荒々しく刺激的な音もshivaの名に相応しいですね。

最初はtexture最小で始めると音が作りやすいと思います(個人的な好みはtexture10時過ぎくらい)