ロジャーメイヤーと言えばあの大きなロケットシリーズが印象的ですが、このVoodooシリーズで知ったという方も多いはず。
1990年代初頭からリリースされた本シリーズですが、その中でも
ディストーションとして新規設計されたVoodoo-1は国内外問わず様々な
ギタリストに使用され定番モデルになりました。
とはいえこのVoodooシリーズ、定番として名が知れ渡ったとはいえ、
イマイチ情報が少なく、しかも人気のあったVoodoo-1とVoodoo Bass以外の
レビューや比較は思ったほど多くないため、2機種一気にレビューします
■Voodoo-1
LM308を使用したディストーション。こういうとRATの亜種?と思われるかもしれないですが、別物です。
コントロールはGAIN TONE OUTPUT
GAINはクリーンからディストーションまで幅広いですが、
歪み低めに設定しても特にジャキっとする感じはなく、少しハイが柔らかくなった粒荒めのクランチになり、GAINを上げていくと気持ち高域が出てきつつ
ファズっぽい音の質感が出てくる感じで、RATのように鼻詰まりや腰砕けな
音になることなく意外と綺麗にしっかり歪みます。
シングルでの使用もいいですが、個人的にリアのハムでもザ・ファズディストーションという感じで好きです。
TONEの効きは通常のハイカットではなく、ローミッドを上げ下げする感じで、
右に回すほどドンシャリ・ジャキジャキになっていきますが
音の芯になる高域が無いというか…TONEを上げてもガツンと来るピークが無いです。
よく言えばオケになじみやすいのかも
耳が痛くならない分ブースターにも向いているかんじで、特にマーシャルのゲインブースターとして良い働きをします。
音の芯がもともとしっかり出ているフェンダー系のアンプにもおすすめ
というかデラリバ使ってサウンドチェックしてるのかな?ってくらい
帯域がお互いを補い合ってます。
以上、音のキャラとしてはどちらかというと音が野太いDS-1と言った方が近いかも
音量は大きくはないですがDS-1より余裕があり、通常使用に問題がないボリュームは
稼げるので、メイン歪の後段に置いてゲインと音量アップさせるもの良いです。
■Voodoo Axe
操作はGAIN FATNESS OUTPUT
本機の基になったロケットシリーズのAXIS FUZZはファズフェイスをもう少し
コード分離が良く、ハイが出るように調整されたModのような印象がありますが
このVoodoo Axeはインプットにバッファがありインピーダンスを変えているのカ、ファズフェイスっぽいクリーミーさや前段のバッファ有無における影響は
ありません。
そういう意味では、ヴィンテージファズのテイストをバッファ付の仕様で
再現しようとしたBOSSのFZシリーズと近い思想があるのかも
中身はシリコントランジスタ4石。バッファ関係で石が増えてると思うんですが
やはりバッファが入っているからかファズフェイスの音ではないです。
GAINが低めの時はかなりギラッとしてクランチで、ハイだけでなく低音弦も
ゴリっと軋み全体的に荒々しい歪み。
雑味と緊張感がある音なのでコードをかき鳴らすよりもバッキングと
単音弾き・チョーキングを行き来するブルース系の弾き方が合います。
GAINを上げていくとブチブチしていき、ベルクロというほどではないですが
独特の音が詰まってプジャプジャした音になります。
ファズフェイスでもマフでもなくどちらかというとマエストロのFUZZTONEや、
シンエイの
FATNESSツマミはVodoo-1のトーンと効きが逆ですが、基本ローミッドを上げ下げするのは変わらず、左に回すほど音が薄くなりじゃりじゃりしてきます。
ギターへのボリュームの追従ははっきり言うと悪く、前述した前段のエフェクターの影響を受けない仕様、音等総合的に考えてファズフェイスやジミヘンの音を期待して弾かない方が良いです。
バッファの効果に期待しましたがワウとの組み合わせを試すも
既に歪みが飽和しきっているので結構苦しい感じです。
ブチブチ!ローファイ!な音が欲しい方へ
クランチのアンプと組み合わせるとブチブチ感がいいかんじに歪と絡んで
太いリードサウンドになるので、この使い方もおすすめ。