SOVTEK(electro-harmonix) / BIG MUFF π (Russian Green Bubble Font)

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90年代、SOVTEK名義でロシアにて

生産されていたビッグマフ

当時はバリエーションモデルとしてでは無く

ちゃんとしたビッグマフとして発売されていたと考えるとなかなか味わい深いですね。

95年前後の、バブルフォントと呼ばれている

バージョンです。

 

音は各所で言われている通り、暴力的な低域と

分離の良い歪感を兼ね備えたファズディストーションで、使いやすさと使いにくさも同居する不思議なバランスです。

 

バイパス音はたしかにハイは削がれますが個人的には味かなと思う程度。

前段にバッファが入ってもそこまで音が崩れることなく、単体でも良い仕事をします。

 

ロシア製のマフは

2000年代後期に生産中止になるのですが、

ベースにも使用者が多かったからか音のコンセプトはそのままにベースビッグマフとしてエレハモからリリース、その後2017年にナノシリーズで待望の復刻。

どちらもこのバブルフォントをベースにしており、評価は高いです。

 

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で、その3機種が手元にあるのでざっくり比較

比較テーマとして、オリジナルのバブルフォントの代替になるかor無理してオリジナルを買う必要があるのかの二つの方向から。

※オリジナルは個体差があるそうなのであまり参考にならないかもしれません。あくまで手持ちの個体での比較になります。

 

まず本当にざっくり言うと、3機種とも非常に似ています。

が、ベースマフは歪量が少ないので、単体での使用は迫力に欠ける印象。

ノロシアンは暴力的な低域と分離感がほぼそっくりなぐらい再現されているので、ライブ前にオリジナルが故障した時の代替としては使えます。

ベースマフはクリーンミックスやベースブーストなどのオプションがあるのでオリジナルに不満がある場合は良い具合に働くかもしれません。

ベースマフとナノロシアン、両機ともかなりオリジナルに肉薄していますが

ではオリジナルは必要ないのか?と言われると

個人的にはNOで、再現できていない点がいくつかあります。

 

一つは音圧

音量の上がり方だけ聴くとナノロシアンが一番音量大きそうに感じますが、オリジナルと比べるとおそらくローミッドに足りないポイントがあるのか、抜けてこない印象。

単体で使用する場合もオリジナルの張り出したローミッドは変え難いものがあります。

 

もう一つはDISTORTIONノブが低い設定の時

オリジナルは歪みを下げるとオーバドライブ的なコンプレッションとファズ的なスムーズな歪みが乗っかる独特な音が出ますが、

ベースマフやナノロシアンだと歪み下げた時にボソボソした感じになります。

歪み最大付近ではかなり似てくるので、

歪みと組み合わせたり、そこまで爆音を望んでいない場合はベース・ナノでOK。

とにかく誰にも負けない無慈悲な圧が欲しいorマフをメイン歪みや単体で使いたいなら

オリジナルをお勧めします。