ギリシャのメーカーのディレイ
パラレルルーティング設計で原音とエフェクト音を別々で処理して
最後にミキサー回路に通して出力するようです
原音はエフェクト音を通過しないらしいのですが、TCなどでよくある
アナログドライスルーとはまた違った仕様なんでしょうか?
詳しい方情報求む
回路はPT2399 x2を使ったデジタルチップ・アナログ回路のディレイ
OPA2134PAも搭載されていますが、これはミキサー回路用?
コントロールは
m/sec =ディレイタイム 120ms~650ms程度
more = ディレイレベル
mood = ディレイ音のハイカットフィルター
tail = フィードバック(ディレイ音の繰り返し)量
電池使用不可、トレイル無し(トゥルーバイパスのため)
仕様だけだとよくあるデジタルチップでアナログディレイの音を再現
したような感じでありきたりに見えますが、
これはモジュレーションディレイで、ディレイ音のピッチが常に
揺らいでいます。
モジュレーションの調整はできないですがちょうどいい塩梅。
ショートディレイ時にはセッティングによっては音痴に感じるかも
ディレイタイムは意外と短い方向の調整幅が狭く、最小でも120msで
ダブリングはできず、どちらかというとスラップバックエコーとしての
使用を考えられた設定だと思われます。
ディレイレベルはミックスタイプではなくエフェクト音の音量のみを
調整。原音は常に一定で、レベル最大でディレイ音が勝つくらい
moodはスタンダードなハイカット、フィードバック量はmoodを上げていると
発振しないですが、moodを低い設定にしつつフィードバックを最大にすると
発振します。
基本の音は太くて存在感あり。原音に変化もなく扱いやすいです。
完全なデジタルチップ由来のアナログではなかなか出せない明瞭感とコーラスとまではいかない
ちょうど良い塩梅のピッチモジュレーションで
かなりテープエコーっぽい雰囲気感じます。
発振やフィードバックが高い設定の時、一般的なディレイだとすぐに音が飽和し切って何弾いてるのかわからなくなりがちですが、
timeは発振中でも一番最初の繰り返し音が変わらずクリアに出力されそのあとで発振している音と混ざっていく挙動をします。
またパラレルルーティングのおかげか発振していても原音に音の変化はなくそのまま出力されるためそこが太く存在感があるように感じる理由かも。
以上、音が潰れない、濁らないディレイとして個人的に一番好きです。
特にフィードバック最大にした状態でロングディレイとして弾くと
絶妙な揺らぎ感とディレイ音がクリアに主張しながら滲んでぼやけた発振音の
中に溶けていく感じが通常のアナログディレイにはない良さがあります。