アメリカハンドメイドブティックペダルの先駆けフルトーンが00年代中頃にリリースした
大傑作オーバードライブ。
その人気は以前レビューした同社fulldriveと双璧をなすほどで、シングルでもハムでも行ける汎用性や個性がありつつ普遍的なドライブサウンドを音痩せ感無しに出すことができ
今でも世代問わず親しまれる名機です。
が、ロングセラーゆえにバージョンの違いがあり、音も違うようです。
今回たまたま初期型のv1.1(シリアル1000番台)が手に入ったので手持ちのv1.7と比較しようと思います。
※OCDのバージョンの違いによる音の傾向やシリアルからバージョンを判別する方法などは別途検索してください🔍
ちなみにOCD最新バージョンは2022年時点でv2.0 これもだいぶ音が違うらしいですが、今回のv1.7はv1.4と並んでポピュラーなバージョンのOCDのようです。
OCDの基本の音はローゲイン時はRATとBD-2の良いところをとったようなジャキジャキ感とコード分離
ハイゲイン設定では思いのほか歪み、ハムバッカーではミュートで刻めるくらい
力強いディストーションサウンドに変身する非常にフレキシブルなOD…というか
切っ先の鋭さや音伸びなどはディストーションに質感が少し近いです。
ブースター受けも良く、優等生すぎてつまらないという人もいるかもしれませんが
一台持っていて損はないですね。
この音のキャラクターはv1.7もv1.1も同じで、使い勝手も同じです。
思ったより基本のキャラが似ているので、改めてv1.7の音の良さがわかったくらい。
(どちらを基準にするかによりますが)v1.7はジャキジャキながらも中域が
ごつんと張り出たなんかマッチョな感じの音像で、これがOCDの特徴なのかなと思っていたんですが
v1.1はその暑苦しい中域が無くすっきりとしていてフラット。
ヴィンテージのRATのような雰囲気も感じます。
中域が控えめなためかハイミッド以降の抜けが良く感じ、もともと手元の強弱で
歪を操作できるタイプの歪ですが、v1.1ではそれが顕著で弾き方を弱めるだけでクリーンになり、右手に吸い付くような弾き心地があります。
スイッチがHP-LPどちら側でも同じ傾向があり、張り出てる分v1.7の方が音量が大きく、歪量も1.7の方が若干多いです。
ギターボリュームへの追従はV1.1の方が上ですが、どちらもまぁまぁな感じ。
急にクリーンにはならないのでヴォリュームノブを目いっぱい使って調整できると捉えれば良いですね。vol.3くらいで特にv1.1はhotcakeで作ったような
アタックのあるクリーンになります。
以上、v1.1はもちろん素晴らしいですが、1.7も初期の特徴を受け継いでいて良いです。
ただ、v1.7やほかのバージョンを使っていて、中域や圧が邪魔だったり
もうちょっとすっきりしていてきらびやか(ハイが痛いわけではない)さが欲しい場合はv1.1を探してみるのも手だと思います。