Earth Quaker Devices / Ledges レビューと使い方

 

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2023年発売 新作です。

”Tri-Dimensional Reverberation Machine”と表記がるように

3つのモードが搭載されたシンプルなリバーブ

3モードといっても何かシマーのような特殊な音色があるわけではなく、

ROOM、HALL、PLATEのスタンダードなモードが用意されています。

 

コントロール

Lenght, Damping, Mixの3コントロールと3ポジションのモードスイッチ(R/H/P)

、6ポジションのPresetノブとPresetボタン

プリセットの使用方法は後述。

まずモードスイッチのR/H/Pは順にROOM/HALL/PLATE

ROOMがいちばんリバーブタイムが短く、PLATEがいちばん長い(PLATEが長いのはエフェクターのモード名ではちょっと意外)

ROOMの一番リバーブタイムが長い設定がHALLの一番短い設定、

HALLの一番長い設定がPLATEの一番短い設定…と整理されており、これを

意識して操作すると迷いがないです。

各モードの音質感にそこまで大きな違いはなく、3モードが地続きになっているような感覚です。

ただ、PLATEの一番長い設定では無限にリバーブ音が続くようなパッド的な

使い方や、ROOMの短めの設定ではスラップバックのようなちゃんと部屋っぽい反響感を得られるので、結構リバーブタイムの設定によって印象が変わり

面白いです。

バーブそのものの音にかなり説得力があり、BOSSやTCのリバーブとは違う

若干の揺れと滲みが加わった広がりとこれでしか出せないようなキャラをもったリバーブです。

 

Lenghtは残響の長さ、MixはWet音のレベルです。

Mix表記ですが、原音は一定でキルドライはできません。

Dampingはリバーブ音の高域調整で、ざっくりいうとリバーブのハイカット。

利きは派手ではなく、かなり微妙な利きですが確実に変化があり奥深いコントロールです。

ノブを右に回してハイカットしていくと

ブライトな金属の壁から硬質で重い木製の壁にかわっていくような…

単純にハイカットというよりは残響の質感が変わる感じです。

基本は左に回し切っておいて、リバーブ音がうるさすぎたり柔らかくしたいときにカットしてく使い方がおすすめ。

 

加えてEXP端子も搭載されており、

エクスプレッションペダルを踏みこんだ状態でノブを動かすだけでそのノブが

ペダルで操作できるようになりますが、簡単に設定できすぎて誤操作してしまう可能性はあるのでそこは注意。

 

最後にフレキシスイッチ(OFF時にスイッチを踏んだままでいると

踏んでいる間だけON)機能搭載機かつバッファードバイパスでOFF時に残響が

残るタイプ(トレイルまたはスピルオーバーともいう)します。良い!!

 

 

 

以上、単純に音が良く扱いやすいリバーブですが、以前発売された「Aurelius」というコーラスにも搭載されていたプリセット機能が今回も搭載されており、

これがかなり使いやすいです。

 

まずプリセットはPresetノブの各ポジション(6つ)に保存可能。

これはモード・ノブの位置・EXPペダルがどのノブに効くかの設定も保存されるので、

モードを切り替えるたびにペダルの効果を変えられる利点があります。

プリセットが適応されるPresetモード(Presetスイッチが赤く点灯)と

ノブがそのまま効くLiveモード(Presetスイッチが緑に点灯)の切り替えはPresetボタンを押すことで変更可能ですが、エフェクトON時にフットスイッチを

長押しするだけでもPresetモードに移行できます。
つまり、ノブ位置そのままのLiveモードと、保存したプリセットの1つを

かがむことなくフットスイッチ一つで切り替えることができ、さらに
エクスプレッションペダルの効果も各モードで違うノブを適応できるという

かなりライブ中での使用に便利な機能です。

 

分かりやすい例として、

プリセットにリバーブタイムを操作できるPlateモードを保存、Liveモードで

Mixを操作できるRoomモードに設定しておくと、

スラップバック的なリバーブを適宜混ぜながら、コンサートホールのような

壮大なリバーブが欲しい場合はフットスイッチでプリセットモードに切り替えてエクスプレッションペダルを最小に、パッド的なロングリバーブはほしい時はプリセットモードのままエクスプレッションペダルを最大に踏み込む

足の操作だけでリバーブのバリエーションが簡単に出せるのは大きな利点ですね。

 

またプリセットノブで6つ設定を保存できるので、その日にやる曲やボードセッティング、加入するバンドによって使い分けることができるのもポイントです。

 

以上、最初プリセットノブ周りを見たときにぼんやり指じゃないといじれないのかな…?だったら宅録向きか?と思っていましたが

実際使ってみると宅録はもちろん、ライブユースでも非常に考えられた

機能てんこもりのペダルです。

フレキシブルなリバーブが欲しい、リバーブの設定がたくさんいるけど

一台で完結させたい、いいリバーブを一台もっておきたいという方には

非常におすすめ。