MXR / DOUBLE SHOT DISTORTION レビュー

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MXRの2チャンネルハイゲインディストーション

何年か前に投げ売りされていたのを思い出しますがどうやら2008年には生産終了していたようで、おそらく今回レビューする個体は

2016年以降に日本限定でリイシューされたモデルらしいです。

 

コントロール

OUTPUT(音量)

BASS, MID, TREB(3EQ)

GAIN(歪量)

FOCUS(スイッチ、後述)

の5コントロール1スイッチがそれぞれのチャンネルに独立して備わっており、同じ音のチャンネルが二つあるように見えますが

上下チャンネルともまるで音が違います。

ちなみに電源は18V専用です。9Vでも行けるかなと思い試したところ

音は出ますがスイッチのLEDなどが正常に動作しなかったので非推奨

 

■上チャンネル

ネットの情報では同社のDIME DISTORTIONと同じらしいですが、所持していないため割愛。

中域に癖があるディストーションで、MIDを上げていくとワウの半止めに近いクワッとした感じが出てきます。

逆にMIDを下げるとエッジが立ったディストーションになりますが、

BASSが思いの外出ていないのでドンシャリにはならず、どちらかというとバリバリかジャギジャギした音ですね。

TREBはハイというよりはハイミッド…マーシャルのミドルくらいの領域で、あげると音がはっきりしてきます。
MIDの位置で結構持ち上がる場所が変わってくる印象ですが、
ハムバッカーだと12時、シングルは9時くらいから調整すると良いです。

ミドルで音のキャラを決めて他のつまみで細かい音質の調整といった感じ。

GAINは上げていくとまぁまぁ歪みますが、ds-2とかそれくらいまでの歪みのため、一台で激歪みメタル!までは行かない歪み感です。

歪み浅くはできますが、コードの分離や煌びやかさは無いので割と歪ませるか浅い歪みで使い場合はブースターとして後段の歪みの粘りを出すのに向いてそうです。

このチャンネルのFOCUSスイッチは押すとMIDノブが効かなくなり

強制的にミッドスクープサウンドになり、なぜかTREBが良く効くようになります。

加えてビリビリした高域が加わるようになり、いい意味でアンプっぽくないというか、ノイジーです。

FOCUSを押した状態でBASSを上げると低域も上がりますがそれ以上に高域が

目立ってきます…なぜ?

後記する下チャンネルにも共通しますが、BASSノブがカバーしている帯域がかなり広いです。

 

■下チャンネル

こちらはEQが結構素直に効きますがBASSノブを上げるとかなり音量が上がる+ミドル以降の全体の帯域が持ち上がる+低域のひずみ方がブーミー

高域もギターらしいギャリっとした部分や抜けではなくビリビリとした昔のエフェクターっぽい歪み方でアンプの歪みやメタル系の刻みに適した歪みを
期待して鳴らしたらかなり後悔するかもしれません。

歪み量は上チャンネルより少ないです。ハイゲインとは言えない感じですが
歪みの質から実際の弾き心地より歪んで聞こえると思います。

こちらのFOCUSスイッチ低域のルーズさを解消するものらしいですが、自分の環境ではあまり効果的な違いが判らず…

歪みそのものの粗さは両チャンネル同じくらいで、きめ細かいわけではなく

ハリがあるわけでもない、粗く、ブーミー、ピーキー、古いエフェクターの歪みです。

 

結構悪そうな点ばかり挙げてるような気がしますがこの歪み方が結構オルタナ・ノイズロック向きというかThe Jesus and Mary Chainっぽい音っていえば伝わるでしょうか
EQや歪みを上げると自己発振するのもそういうジャンル向けと考えるとかなりおいしいです。

 

以上、かなり癖が強いディストーションですが、歪み物というより

「そういう音が出るエフェクター」として唯一無二。

コントロールも癖があり難しいですがしっかり設定してやると使えます。

個人的に収録の場面で使いたいなと頭に浮かぶ存在感あるエフェクターだと思います。