WAY HUGEは90年代に展開していたブランドで、prescription electronicsやfulltone等と
同じくブティックペダルの先駆けといっても良い歴史あるメーカー。
ビルダーのJeorge TrippsがJimDunlop開発責任者になったことによって2008年にブランド復活、リイシュー…というより機能が従来のラインナップをもとに追加された
後続機や新作もリリースし、今も人気があるメーカーです。
またこの90年代のオリジナルモデルは中古市場になかなか出ないことも特徴で
(もともと生産台数が少ない?)
現行のWAY HUGEは知っていてもオリジナルは見たことないという方も
多いのではないでしょうか。
今回そんな貴重なファズを友人であるulm( https://twitter.com/ulm_nagoya )の
ギタリスト、ツジさんからお借りしました 感謝。
コントロールはLOUDNESS, FILTER, SUSTAINで左からボリューム、マフ的なシーソー型のトーン、サステイン(歪み量)になります。
リイシューされたMkIIだとそこにさらにミドルを操作するscoopと歪み感を操作するcrunchノブがありまた内部にもトリマがあるのでそれと比べるとオリジナルはかなり
シンプルな仕様。
中身はこんな感じ。現行のWAY HUGEの中身を知っているとシンプルさに驚きます。
ICでの増幅はMkIIも同じで、ファズにしては珍しい設計です。
出音は……凶悪!
音量自体は取り立ててそこまで大きいというわけではないんですが、帯域で
殺しにかかってくるタイプの暴力的な出音です。
ミッドスクープ感が強く、上はホワイトノイズ的なザリザリしたプレゼンス、下はロシアンマフくらい出てますが、また違う質感の重低音があり、迫力が凄いです。
低域があふれるくらいに出ているのにブンブンという飽和した質感はなく
ドンシャリなのも含めて若干メタリックな印象すら感じます。
マフ系なのかな?と思っていましたが、高域のザリザリした質感がマフというより
DEATH BY AUDIOのFUZZWARと近い部分があるため
もしかしてFUZZWARと同じくJumbo Tonebender系のペダルなのかな?と思わなくもないです。
全帯域が歪みをまとって鳴っているようなノイズギリギリの音が出るので、
コードでごしゃ!!っとやるのに非常に向いています
鳴らしてすぐにわかるカッコよさを持っているファズですね。
以前現行品のMkIIを所持していたので記憶で比較すると、
高域のバイト感みたいな部分はMkIIにも通じるものがありますが、
低域はMkIIの方が控えめです(というよりオリジナルが出すぎ)
またオリジナルのSwollen Pickleを再現した設定が説明書に記載されているのですが
それは正直中高域にあるがつんとした歪み感が足りず似ていません。
トーンの効き具合は似ていますが、MkIIは何か別の歪みと組み合わせたりファズとしてではなくブースターとして使うのに向いているように思います。
とにかくオリジナルのわかりやすいカッコよさみたいものがあまり感じられなかった
のは事実です。操作できるつまみが多いので迷子になりやすいというのもありますが…
以上。この音を使いこなすにはかなりバンドの組み合わせや演奏環境に左右されそうですが、ファズというペダルを始めた知った時に感じた高揚感を思い出すような良いペダルでした。
みかけたらぜひ