Jim Dunlop / GCB-95 Crybaby 1988 レビュー

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CryBabyはJim dunlopが買収するはるか以前60年代から存在する歴史あるワウ。

名前は同じですが製造会社や販売元が時期によって異なり、権利に関しても複雑な事情があります。

ワウの詳しい歴史やヴィンテージCrybabyの音色については

海外サイトなどに専用のページがあったりするので、

今回はこのブログらしく情報が少ない、「80年代末のJimdunlopブランドのCrybaby」

について紹介していこうとおもいます。

 

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ワウの表面塗装は現行と同じように見えますが少し目が粗く、暗い黒色です。

重量は現行とほぼ変わらず重い。

Jimdunlopは80年代前半からJENよりCrybabyの商標を獲得してGCB-95の型番をつけて

発売。仕様いくつか変更されているようですが、海外の情報では今回の個体はリビジョンDという区分で

アダプタジャックがついた最初のGCB-95の仕様のようです。

ジャックもスイッチクラフト的なオープンジャックで、90年代以降に基板直付けのジャックになります。

 

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80年代製なので当然CEマークは無い。

 

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筐体右側に穴が開いています

 

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現行Crybabyと違い、インプットバッファが無く昔ながらの仕様。

インダクターはTDKでもFaselでもない。スタックオブダイムタイプです。

 

音はバッファが入っていないのでバイパスから音量落ちがあり、掛かりも大人しい

70年代のthomas crybabyや現行のGCB-95F、BB-535、記憶の中のノーマルクライベイビーなどと比較しましたが、

ポットのカーブにヴィンテージならではの急な山が無くそこは現行のCrybabyに似てます。

音色的にはギアのかみ合わせにもよりますが、バランスが取れていて適度にハイが

暴れるザ・クライベイビー!な音です。

現行よりローファイな音像のため、Crybabyの音色を保ったままちょっと渋めのテイストを加えたいときに向いています。

音に対するツヤとか粘りみたいなものはあまり感じず、さらっとしていて

クリーンだと面白みにかけますが、歪みと組み合わせた時はフラットさとハイのざらつきが良い方向に働き、食いつきが良いです。

 

以上、単純に値段を押さえつつ良いヴィンテージワウが欲しい!ということだったら

これよりJEN時代の物を買った方が良いですが、現状この時期のCrybabyは区別されておらずプレミアも無いので

現行のCrybabyをベースにちょっと違うニュアンスが欲しい場合はオススメです。