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▲▼エフェクターレビューとメモ▲▼


基本的にハードオフ中古楽器店で買ったりした
エフェクターや機材をレビューします。
生産が完了しるけど中古の常連になっていたり、投げ売りされてたり
たまに中古で出てくるけど情報がなかったりするエフェクターに対して
参考になる情報をかけたらいいなと思います

 

レビュー記事執筆のご依頼については以下をご参照ください。

nota-p.hatenablog.com

Hungry Robot Pedals / The Lumen レビュー

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シンセサイザー用のモジュールもリリースしていたり守備範囲が広いブランドで、今回紹介するThe LumenもFETで組まれたオーバードライブ回路にシンセで使われることが多い ステートバリアブルフィルターを組み合わせたモデルのよう。

 

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筐体の背が高く、humangearのVIVACEと同じサイズです。

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斜めに並んだ抵抗がかわいい。電池は使用できません。

 

コントロールはDRIVE, LEVEL, CLEAN, HP, BP, LPの6つ。

DRIVEとLEVELは歪量と音量、CLEANはクリーンの音量で、最小でクリーン音なし、ドライとウエットの比率を変えるいわゆるクリーンミックスではなく、クリーンの音量はCLEAN、エフェクトの音量はLEVELで調整します。

また、クリーンにはフィルター(HP, BP, LPは効かず、バイパス音よりはるかに大きくできるため、LEVELを最小にしてCLEANを上げればクリーンブースターとしても使えます。

 

HP, BP, LPはそれぞれハイパス、バンドパス、ローパスのアクティブフィルターで、簡単に言えば高域、中域、低域のEQで、全て最小でフラット。ブースト方向に効きます。

 

歪み量はロー〜ミドルゲイン。音量はフィルター位置にもよりますが、フラットな状態で十分あり、音量で困ることはありません。

 

各ノブの説明や仕様を見ると、結構素直で使いやすい・かゆいところに手が届くペダルかな?と思ってしまいますが、音の印象は…かなり独特です

基本のドライブ音が結構荒々しく、フェンダーツイードアンプのボリュームを目いっぱい上げたような、軋んでブーミーな荒々しいサウンドで、フィルターも歪みを整えたり使いやすくするというよりはすべてのノブがブースト方向なので、より個性のあるシェイプにするような攻めた効き方をします。

フィルターの利きを掴むのに少し時間がかかります。3バンドあってもすべての帯域をカバーしているわけではなく、思った帯域に効かないことがあります(特にローミッドとハイあたり)が、その場合はLEVELを全帯域が持ち上がるEQとして操作すると解決しやすいです。

最後の良心かと思われたCLEANも、おそらくエフェクト音に対して位相がずれていて、あげていくとエフェクト音とクリーン音がイコールになるくらいの位置でフェイズアウトが起こり音量が下がってミドルが削られたサウンドに。

ただ、おそらくこのクリーンの位相ずれは意図的にやってるような雰囲気があり、ドライブを上げた状態でクリーンを混ぜてフェイズアウトさせるとよりフェンダーアンプっぽいクリーンの中に歪みが混ざったような立体感のある音になります。

ブースト方向にあるトーンの中で唯一音を削れるのでそこも狙ってるのかも。

上記の特徴から、補正や補助というよりはかなり濃い目のフェンダー系プリアンプとして、最終段に置いてトータルの音を濃く・キャラを強くするのが向いてる雰囲気です。

 

ギターVolへの反応はそこそこ。すこし高域が早く削れるタイプの減衰なので、ボリューム操作したい場合はファズフェイス等のギターVolに敏感なペダルを前につなぐか、

The Lumen自体のDriveノブが大きめで足でい弄りやすいので直接操作しましょう。同じアプローチでLevelも足で操作しやすいので、CLEANをある程度上げている場合はLevelノブを下げると相対的にクリーン音がブレンドされて歪みが落ちます。

 

バッファの影響なども受けず、比較的ブースト受けもこれ自体で他のペダルやアンプをブーストしてもアリです。BPがギターらしいハイミッドのカリカリした部分、LPがベースの帯域にギリギリ被るような強めのローに効くので、この2つのノブでかなり柔軟に攻めた音が作れます。The Lumenをプリアンプにして他のペダルでブーストする場合はTS系等のよくミドルが出たり、ファズ系のファットな音が合いますね。

 

以上、1ボリュームアンプでボリュームを上げたときのブーミーでブンブンした歪み、キシキシと軋んだハイ、クリーンが奥で鳴ってるような立体感がある濃いドライブペダルを探している場合はおすすめです。

 

Leqtique / Redemptionist レビュー

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アルミ削りだしの専用筐体・精巧な組み込みに裏付けされた高級感のある音や、そのクオリティに関わらず手に取りやすい価格帯で一世を風靡し、今もなおペダル好きから注目を集める国産ペダルブランドのオーバードライブ/ディストーション

このRedemptionistは楽器店限定カラーをたまたま入手。

 

コントロールの表記は無いですが、正面から見て左上がボリューム、右上がゲイン、中央下がトーンの一般的なコントロールに加え、トーンの左に配置された小型のノブはローカットになっています。

 

全体的な音の印象は…かなり表現が難しいですが、エフェクターらしさの残るアンプライクな歪み…が第一印象でした。

歪みの質で言うと、BOSS OD-3, Fulltone OCD等の音に厚みがあり、切っ先がジャキジャキとしているタイプのODと、Keeley RedDirt, CMAT MODS Signa Drive等の弦の鳴りがはじけるようなTS発展型ODの音の特徴を兼ね備えたような音で、カッティングがコードバッキングに最適です

 

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綺麗な組み込み、なんと電池が使えます!(うれしすぎる)

 

ボリュームはかなり大きめ。アンプシミュレータや歪むタイプのアンプに使う時は飽和しがちなのでボリュームは低めで始めると良い感じ

歪み量は結構深めですが、分離が良く音が濁らないので実際よりも歪んでいないように聴こえるかも、ただ歪みをフルアップした時の迫力はディストーションとしてかなりのものがあります。

ボリュームの追従はそこそこで、過敏すぎないのもよし。前段バッファも体感では影響ないです。

 

トーンは高域を調整するタイプのノブで、ただ単にハイが出るというよりも全体の音の雰囲気は変えずに音の堅さや抜けを調整するような感じになっています。

調整幅はそこまで広くないので、このトーンノブで歪みのキャラを変えるのには向かず、最小・最大でも音が破堤しません。

 

ローカットはこのペダルの一番重要なノブで、文字通りローをカットします。

歪みの後段にローカットが入っているような感じですが、ローをカットしても薄くなりすぎず、ジャキジャキした成分が目立ってきて歯切れがよくコードカッティングに最適。

削る帯域がちょうどいいとこを突いているのか、トーンと同じでローカットノブを最大or最小にしても音が破堤せず、むしろ最大か最小の設定それぞれで試しに弾いてみて、自分のプレイスタイルや楽曲・バンドにあわせてどちらかを基準にして微調整していく方法が向いているくらい絶妙なコントロールです。逆に真ん中付近だけを動かしているとセッティング決めにくいかも。

 

ローカットを最小にして低域をすべて出すと、音がふくよか…というよりはローエンドの歪み感がモロモロと潰れつつ音が重くなり、これまた味がある音

アンプのナチュラルさを残して重く歪んでストーナーロックっぽい音雰囲気。

結構ローカットで音の重心をいじれるので、フロント中心で使う場合はローカット気味、リアで使う場合はローカット少な目orコード主体でちょっと強めに歪ませる場合はローカット気味、リードの場合はローカット少な目にするなど、基本の音を大きく変えるような調整幅は無いのに目的によってトーンとローカットで音を幅広く作れる不思議な操作感がありますね。

 

またブースト受けも良く、前段にODやブースターを置いたときの自然さは結構チューブアンプっぽいニュアンスを感じます

音量が大きめでローカットで飽和する帯域を削ることができるのでこのペダルをブースターとしてアンプに突っ込んでも良い感じです。

 

以上。悪い部分が見つからない、かといって特徴がないわけでもなく個性的。

「歪んだギターの音」のイデアを感じる完成度の高いドライブペダルだと思います。

 

歪みノブ最小でほぼクリーンな状態になるので、レベルやトーン、ローカットを利用してクリーンの音を作るやりかたもおすすめ。

ARTEC / SE-VTM Vintage Tremolo レビュー

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韓国の機材メーカー、ピックアップ関係の製造からスタートし、2000年半ばにエフェクターを多数リリース。安く手に入りやすい価格帯と、当時需要が高まりつつもヴィンテージのものしかなかったアナログディレイがラインナップにあったことによりビギナーからライブをばりばりこなすバンドマンまで広く「安ペダル」として人気があったブランドだと記憶しています。

 

SE-VTMは名前通りトレモロ
コントロールはSPEED, LEVEL, DEPTHの3つ。最初はBOSSか何かのコピーモデルだろとタカをくくっていたんですが、コントロールや音の感じ(後記)からもあんまり何が元ネタとかわかりませんでした。

 

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筐体は樹脂ではなく金属。ポットも樹脂軸だったり基板直付けではなく、結構しっかりした金属のポットです

基板は表面実装でスイッチはおそらくミレニアムバイパス方式?でOFF時にバッファーは通りません。なんかチープだと思っていたけど思ったよりちゃんとしているような…

 

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電池入ります。このトレモロは普通の歪み物くらい結構電池持ちよし

 

■音と操作感

コントロールの通り、LEVELがついているのが使い勝手が良く、最小で消音、トレモロがどんな設定でもLEVEL11時~14時くらいでバイパス時と同音量に補正出来、11時以前は音量を押さえ、14時以降はブーストできます。

SPEEDの幅は一番遅い設定で山から谷までが1秒無いくらい700~800msecくらい?で一番早い設定で俗にゆうマシンガン・トレモロがちょうどよくできるくらい、通常のトレモロと比べて普通~狭い最小でも最大でも常識の範囲内の周期スピードです。

減衰の仕方は注意深く聴くと倍音っぽい高域の部分が若干残る不思議な減衰をします。これは歪ませているときに顕著で、DEPTH浅めやSPEED遅めの設定では歪みのジョワっとした倍音の部分が一番最後まで残る感じがトレモロの切れ味を演出してちょっと歯切れがいいサウンドになっています。

DEPTHは文字通り揺れの深さ…というより波形をサイン波→角がソフトな矩形波に無段階で操作するノブのように聴こえます。←後日確認し直してみたとろ、波の形は同じ形ですが、音の谷の部分(音量が小~無音になる時間)がDEPTHを右にひねるたびに広くなっていくようなイメージでした。最小だと結構谷の音量が低い部分が狭く、いい感じに音が途切れないので揺らぐようなトレモロとしてちょうどいいです。DEPTHノブを最小から上げていくと揺れの谷がはっきりしてくるんですが、9時くらいから深さはあまり変わらない印象で、そこまで細かく設定できる感じではないです。最小か最大付近まで振り切るかくらいの思い切りでちょうどいいかも。

以上。結構やれることが決まっているので設定に迷うことなく自然と使用用途が限定されキャラクターが強調されるタイプのペダルです。
僕はトレモロを使うのがあまり上手ではなく、揺れのスピード設定が決まらずに絶えず動かしがちなんですが、上記の倍音だけ少し残る感じと、DEPTH最小のトレモロがしっかり効きながらも音が途切れず弾きやすさで設定が決まりやすく使いやすいですね。

DEPTH最小、SPEED最大付近でアルペジオや単音引きが似合うヴィンテージな雰囲気のトレモロサウンドが簡単に出せるのも魅力です。

中古相場かなり安いので見かけたらおすすめ

Devi Ever / BIT レビュー

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ノイジーオルタナティブ、モダンともヴィンテージとも言い難い、いい意味でローファイな唯一無二のファズサウンドを得意とするDevi Everから初期の名機として名高いファズ。

devieverは筐体に紙のシールを貼るデザインが印象的ですが、特にこのBITは盾の左上の紋章部分が空白になっており、シールが切り取られて筐体の下地が見えるデザインになっておりかっこいいですね。

 

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基板が2枚あり、ビニールテープで保護されています。同社Hyperionも基板が2枚で謎に思っていたんですが、以前Devi Ever氏本人のアカウントから、

という回答をいただいたことがあり、Devi Everの初期のモデルは2つのブースターやシンプルな回路の物を組み合わせてファズを作る…みたいな設計が多かったのでは?と推測しています。このBITもおそらく何らかの組み合わせだと思われますが不明。

ちなみにこの基板2つの仕様は初期一部モデルの特徴だとおもわれますが、Hyperionは基板が統一されてSTARVEノブが追加されたおそらくDwarfcraft買収後のモデルも持っていたのですがかなり音のキャラが違ったので、今回レビューするBITもその後のバージョンおよび現行モデルではあまり参考にならない可能性はあります。

 

コントロールはvolume(音量)とcontrol(歪み量)の2つ

基本の音はファズフェイスでもマフでもアッパーオクターブ系でもなく、ブーーー,ビョーーという低域を中心に無理矢理矩形波にクリップさせたようなビリビリとしたファズでかなりノイジーかつ混沌としています。ピッキングをした瞬間一瞬音が引っ込むような圧縮感と音が伸びて消えるときに位相がひっくり返って掠れるようなモジュレーション感が非常に独特なサウンドです。

国内ではファミコン音源のような8bitの音が出る…という宣伝文句で売られていましたが、ゲートで音を切っている感じではないのでそれなりにノイズがあり、一般的なビットクラッシャー的なファズやfuzzfactoryのgateとcomp上げ目のサウンドと比べると安定感がなく暴れ気味な印象で、ローファイ/ブチブチ,ベルクロ/ファミコンサウンドとして使おうとすると正直ちょっと扱いにくく感じます。

逆にベルクロ/ゲート系のファズではないので音が急に途切れなかったり、意外とピッキングのニュアンスに反応してくれる部分が他に無い特徴なので、8ビットサウンドというより、そういう音のファズとして考えた方がよさそう。

海外ではたまにShin-eiのFY-2とキャラが似ているといわれることがあるみたいですが、言われてみれば確かにブーブービービーした音のキャラは似ていますが、クローンとかインスパイヤ系のモデルでは無いように思います。

音量は非常に大きいです。12時から音を作り始めると痛い目を見るので、最小から徐々に上げていくのを推奨。バンド内で鳴らそうとしても僕は10時以降にはできないくらいの音量感。9時が結構ちょうどよく、音量が低くて困ることは無いです。

controlノブは歪み量ですが、低い設定だと低域がかなり強調され、ピッキングの語句最初の部分だけ歪みあとはローが効いたふくよかなクリーンのような音になるので、ベースにもかなり合います。controlを上げていくとブジュっとした荒さが出てきて、ギターでの使用は最大付近がちょうどいいです。前述の通りノイズは結構あるのでハムバッカーのギターか、シングルの場合はセンターポジションでノイズを押さえるのを推奨します。

ギターボリュームへの反応は良く、controlが低めの設定の場合は圧縮感が無くなり荒めのクランチっぽくなります。この状態をメイン歪みとして使うのは結構癖ありますがボリュームでクランチ⇄特徴的なファズで行き来するのはかなりかっこいいかも。control高めの設定でギターvolを絞るとピッキングで最初の音が強烈に圧縮されその後急激に膨らむポンピングのような現象が強調されたファズになりこれも面白いです。

バッファの影響はあります。バッファ後だと少しゲインが上がり、ハイが少し強調され、ノイズが増え、音の余韻の裏返る感じも増える印象ですが、意外と音自体はそこまで破堤しません。controlを少し抑えめにすればバッファ後でも使えそうですが、前段の歪みと組み合わせたり、これ自体を何かでブーストしたりはあんまり向いていません。もともとギリギリまで圧縮されたような濃いファズなので、クリーン・単体での使用をおすすめします。

 

以上。パッと弾いた感じではかなり乗りこなすのが難しく、癖があり弾きにくく感じる音ですが、個性がかなり強く替えが効かない音なので興味がある場合はぜひ店頭の試奏だけでなく、購入していろいろな環境やセッティングで突き詰めていくことをおすすめします。それくらい奥深いファズです。

 

 

 

Umbrella Company / Mayonaise Fuzz レビュー

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※本記事はプロモーションを含みます

Old Blood Noise Endevors, chase bliss, 1981 Inventions, Beetronics等…気鋭の海外メーカーの輸入代理店として、また自社開発でオーディオ機器・ペダルブランドとしても注目を集めているUmbrella Company(https://umbrella-company.jp/)よりペダルレビューのご依頼をいただきました。

 

■はじめに
僕のブログを普段読んでいただいている方にはお分かりかとおもいますが、特段音が良い!とか、忖度なく言ってここが悪い!とかではなく、特定のペダルと比べて音がこう違うとか、こういうジャンルや弾き方、または運用方法から考えて適している、こういう使い方が好みor向いている…等

あくまでそのペダルの個性を考えるタイプの記事をモットーとしているので報酬をいただいている分、褒めるわけでもわざと悪い部分を書くわけでもなくペダルの特徴と使用時の感触についてとにかく詳しく書くことを重視します。すこしでも購入を検討されている方の検討材料になればうれしいです。

 

■Umbrella Company  Mayonaise Fuzz


ツイード系ODの「Hitchhike Drive」、ハードOD/DSの「#24」を経て、2023年10月にUmbrella Company初のファズとして発売されたモデルです。

今回、ご依頼時でのメールのやりとりでいろいろと補足のご説明をいただきました掲載の許可いただいているので該当文掲載します。

これだけでも購入検討・もしくは本体の音作りにおいて十二分に価値がある内容です

開発はFender Deluxe ReverbやTwin Reverbで主に行いましたが、JCとも相性はいいかと思います。Marshall系だとジャキジャキしてしまう印象です。

回路にこだわらずサウンドメインで開発したため、Mayonaiseという名前ですが中身はオペアンプではありません。

個人的なベスト設定はSUSTAIN最大、DOPINGオンでTONEを左回しきりです。DOPINGオンだとTONEのカーブが変化します、最小/最大のポジションもお試しください。

裏蓋開けて中のジャンパを差し替えると更に低音がモリモリ出るので、ぜひこちらもお試しください。

開発中はジャズマスターテレキャスターストラトキャスターなどシングルコイル系で主にチェックしておりました。

1979スイッチは開発中ハムバッカーで弾いたところ全体的に少しブーミー過ぎる感触があり、ハイを際立たせるという目的で搭載しました。
結果シングルコイルでも状況に応じて使えるいい塩梅かと思います。1979オンにした際はローゲインの設定もお試しください。

各ネーミングから分かる人にはすぐわかってしまう感じかと思いますが笑、オペアンプ構成ではないこと筆頭に、スマパンどんずばのサウンドを狙ったものではありません。ですが結果近い雰囲気は出せたのでは無いかと思います。

上記の通り、回路的にオペアンプマフのクローンモデルではありません。トランジスタ4石のため、通常のビッグマフを基に独自のチューンナップをされているよう。そのため、ただオペアンプマフとしての比較ではなく、より幅広く他のマフ系と比べてみようと思います。

 

■外見・内部・仕様

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サイズは最近よく見かけるMXRサイズより一回り大きめのもの。EQDのペダルと同サイズといったほうがわかりやすいかも

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IN OUTはサイドジャック。僕はペダルとペダルをくっつけて配置したりせず、基本的にL字のパッチを使うのでこのサイズ感ではトップジャックでないほうが好みです。

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DCジャックが上部についているのも良いですね。サイドジャックだと回路の引き回しの都合からインかアウトのすぐ近くにDCジャックが配置されている場合がおおいですが、個人的には上部についていた方が手軽に使えます。

電池は使用できず、アダプタもしくはパワーサプライでの供給のみ。電力の消費自体は通常のマフと同じようにかなり少ないので特にサプライの容量関係なく使えます。

 

■コントロール

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VOLUME, TONE, SUSTAINと通常のマフと同じコントロールに加え、DOPINGと1978という2種類のスイッチを搭載。 公式サイトの説明文によると…

・DOPING
Toneコントロールで失われていた中音域を猛烈にプッシュし、音像にアドレナリンを注入

・1979
ゲインストラクチャーを変化させ、高音域のエンハンスやローゲインサウンドに多角的に影響

とあります。
まず注意点として、どちらのスイッチもオペアンプや3rdマフ、最近だとToneWickerやNano Op-Amp Muffに搭載されているようなトーンバイパススイッチではありません。どちらのスイッチをONにしても音量自体に大きな変化はなく、トーンノブはしっかり効きます。この特徴はかなり重要になってくるので後述

■音量
デカいです。操作していて音量が小さい・操作しにくいなどのストレスはありませんでした。

こちらも各マフとの比較で後述しますが、基本的に「抜けるマフ」の音量感で、包み込むタイプの巨大な音像というよりは前に出て張り付くようなキャラクターをしています。おそらく他のマフよりもミッドスクープ量が少なくナチュラルな中域が出ている点や、DOPING、1979スイッチの効果がその印象を与えていそうです。

サウンド
・各スイッチOFFの場合

マフ系として開発されたこともあり、単体・2種のスイッチOFFの状態で弾いた場合ではしっかりマフの音ですが、前述の通り基本的に音抜けを重視して調整されている感じがあり、特にビッグマフの特徴であるミッドスクープ感がギリギリ無くならない程度に中域が補完され、低域もベースに被らないようにすこしあっさりしている感じ

トーンの効きも通常のマフと同じくシーソー型で、各スイッチがOFFの状態では音作りに迷うことはないと思います。

この設定だとオペアンプマフっぽい感じはあまりなく、かなりスタンダードな(ラムズ・USA3rd・ディスクリート期)トランジスタのマフサウンドのように感じました。

・DOPINGスイッチ(上ポジションがON、下ポジションがOFF)

中音域を猛烈にプッシュ…とありますが、これは「マフのミッドスクープ感を打ち消す帯域のミドルを出す」という感じではなく、ギターのカリッとしたクリスピーなニュアンスを感じる中高域を強調する…

エフェクターでいうところのトレブルブースター的な帯域を出すスイッチのように聴こえます。

このスイッチをONにすると、普段マフを使っていて感じることがない弦のアタック感とディストーション的な切っ先が追加され、マフとディストーションを並列して慣らしているような音になるのが面白いです。

フロントPUでマフの音が潰れてしまう場合や、マフだけど複雑なコードやブリッジミュート多用したい方には非常に有用なスイッチだと思います。

補足説明

上記DOPINGスイッチについて、なんと記事ご確認いただいた際に開発を担当された技術担当者さんから(!)コメントをいただきました。 以下コメント

“DOPINGスイッチは、スクープする量を減らしています。

今までスクープされていた部分がスクープされないので、結果的にミドルが充実するようになります。

ただし、全く削っていないわけではなく、良い感じのところを狙って設定しています。

また、削るのを少なくすると音量感が大きく変わってしまい使いにくいので、同時に音量補正も行っています。「トレブルブースター的な帯域を出すスイッチのように聴こえます」 というあたりは音量補正も含めた変化から、そう感じていらっしゃるのかなと思いました。“

とのこと。いただいたコメントを元にもう一度弾いてみるとたしかに…ミッドスクープの谷が浅くなっている雰囲気も感じました。

おそらく僕の中でマフのミッドスクープをなくす=トーンバイパスのあのローミッドのモリモリ感…が印象としてあったので、コメントでいただいた通り、トーンをバイパスするのではなく「トーンが効く状態を維持しつつ、ミッドスクープの谷を浅くする」ことで、トーンをバイパスした時のこもった感じのミドルではなく、もう少し高い帯域のミドル~ハイミッドが強調されているように聴こえたんだと思います。1つのスイッチで音量の補正もされている細やかな配慮や、このような技術的な解説をいただけることに脱帽…この場を借りてお礼申し上げます。

 

・1979スイッチ(上ポジションがON、下ポジションがOFF)

ONにするとプレゼンスの領域が出るようになり、籠り感が解消されます。

ハムバッカーのギターやある程度アンプが歪んでいて飽和している時にも有効で、特にSUSTAINを下げれば下げるほど効果を感じる効き方をします。

普通のマフはSUSTAINを浅くするとすこしモコモコして極端に勢いがない音になりがちですが、1979スイッチをONにするとローファイさは残しつつも歪みとしての勢いは失わないバランス感になります。

また、このスイッチがONの場合ギターVolを絞っても高域が失われずきれいに
歪みが落ちてくれるので、単体で使用しても使いやすいです。


・2つのスイッチについて

基本的にDOPINGはミドル~ハイミッドと音抜け、1979は歪みの質感とプレゼンスをイメージして操作するとわかりやすいと思うんですが、DOPINGはトーンノブを絞った時、1979はSUSTAINが低い設定の時より効果的に効きます。

一般的なビッグマフ系はトーンを12時より低くすると音量や音圧、ローミッドの存在感は増すんですが音がこもりすぎて使いにくく、結局12時より右にノブを回して高域の音抜けを確保せざるを得ない状況になることが(少なくとも僕は)よくあります。

DOPINGスイッチは聴いた感じトーンの後に効いているような感触がありトーンノブを下げた時にこもった中高域を取り戻してくれるような効果があるので、トーンを下げた時の質感が好きだけど音がこもりすぎて使えなかった…という方にはかなりおすすめの使い方です。

■バッファ・他ペダルによる影響等

現行のエレハモのマフに比べると比較的バッファの影響を受けるタイプで、具体的にはバッファやほかの歪みを前段に置くとクリーミーな歪み感が減り、弦の鉄っぽい質感と分離が上がります。

コード主体で使いたい場合はバッファ後をおすすめ

音の変化はありますが、バッファ後だからといって音が破堤する感じではありません。バッファがある状態で2つのスイッチを同時にONにした場合、マフのローファイでクリーミーな雰囲気がほぼなくなり、弦の金属感のあるタッチが出てきて、ファズなのにディストーション的なまとまりと、オーバードライブ的な弦のキレが混ざり合い、奥行きがある立体的な音になります。

この時はSUSTAIN低めの設定でメイン歪みとして使用すると独特なのに使いやすく面白いかも。

■VS 現行BIGMUFF PI (BIG BOX)

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現行のビッグマフとの比較 特に普段現行のマフを使っていて不満があるorもう少しいいマフ系がほしいと思った時に視野に入ってくる価格帯だと思います。

基本のキャラは意外と似ていますが、MayonaiseFuzzの方が抜けよく切っ先が鋭い・低域がつぶれずストレスなく音が前に飛ぶ感じで、オリジナルの現行マフと比べて現代的に音がチューニングされているのがわかります。

音量感と歪み量はMayonaiseFuzzが勝っていますが、ローファイな感じや包み込む柔らかさが欲しい場合は現行マフの方が得意です。


■VS Wren and Cuff EYE SEE ’78(BIG BOX)

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Wren and Cuffはファズフェイスやビッグマフのクローンを得意とする海外のペダルブランドで、EYE SEE 78はその中でもオペアンプマフのクローンモデルです。

当初の比較の本命…でしたが、これは両機ともにあまり共通点がある音ではないように思います。オリジナルのオペアンプマフとの比較は所持していないためできなかったのですが、EYE SEE 78はグジュっと圧縮された独特な歪み感とウーリーな低音とミッドスクープが特徴で、どちらかというと作られたような誇張されたマフの音なのに対し、Mayonaise Fuzzはある程度ミドルもありマフの中では自然な歪みなのでそこに違いがありそうです。

音量は比べるまでもないほどMayonaise Fuzzの方が大きいです。体感で2倍くらいデカい。

Siamese Dream時期のスマパンっぽい音をMayonaiseFuzzで出そうとする場合は、トーンを10時くらいに下げでDOPINGと1979スイッチ両方ともONにした状態を基本に作り始めると近そうです。

 

■VS mid90s Bubble Font Russian と裏モード

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最後の比較ですが、非常に重要な項目です。

Mayonaise Fuzzは内部に差し替え可能なジャンパーがあり、右側に差し替えると裏モードになります。

内部基板上のジャンパを差し替えることで、Russian CIVIL WAR期のある特定の個体からインスパイアされたサウンドキャラクターへ変化します。この個体はCIVIL WARの外装を持ちつつ、コンデンサなど一部の内部パーツが後のARMY GREEN期で使用されたものと共通する不思議なモデル。そして他のモデルとは全く異なる、非常に強いローエンドの存在感と「塊感」が特徴的です。

おどろおどろしい低域成分。弦の悲鳴が聴こえるほど、ゴツゴツと存在を主張するアタック。バンドをクビにされないようまずは通常モードを試していただき、もっともっと!を求めるならこのモードをお試しください。

とのこと。

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筐体内のジャンパはつまみやすく、気遣いを感じます。

裏モードで弾いてみた印象としては…手持ちのバブルフォントにそっくりです!

一時期バンドでバブルフォントのロシアンマフを使っていて、ドフドフしてドスの効いたローがかなり気に入っており、何台か気に入った音の個体を選別して所持していたのですが、このモードの低域は僕が所持しているバブルフォントのロシアンマフに瓜二つでした。("一部の内部パーツが後のARMY GREEN期で使用されたものと共通する不思議なモデル"ってこういうこと…?)

基本ロシアンマフのクローンといえばシビルウォーかトールフォントで、バブルフォントのような低域が再現されておらずスペアを探すのを若干諦めていたんですが、これはスペアになりうる上に、オリジナルよりも音量が大きくローを維持しながらDOPINGスイッチで抜ける帯域も確保できるのもオリジナルのバブルフォントより勝っているように感じます。


■どのアンプ・ギターが合うか?
マーシャルJCM2000とJC120、後は僕が所有しているマーシャル(ベース用JCM800BASS SERIES)、Fender Deluxe Reverbでそれぞれ試してみましたが、どれもノブとスイッチの利き、ビッグマフの基本的な音のキャラを理解していればすべてのアンプで問題なく使用できます。

マーシャルだとジャキジャキしてしまうとのことでしたが、個人的にはこのマーシャルで使用したり他の歪みと組み合わせたときのジャキジャキ感が印象的で、特にDOPINGスイッチを入れるとマフよりもアンプの個性が出てくる印象に感じました。(その影響でマーシャルではジャキっとハイミッドが際立って、JCやFenderのアンプだとあまり目立っていない帯域をプッシュされるためバランスよくなるのかも)

DOPING・1979スイッチON、SUSTAINほぼ最小、TONE上げ目で歪んだアンプやメイン歪みの前段に置いてファズっぽいブースターとしても相性が良く、メイン歪みの後に置いて爆発したいときに使うようなオルタナティブ的な用法以外でも使える印象。

ギターに関しては、使用目的による部分が大きいのですがノーマルモードがいい意味で低域が他のマフよりスッキリしていて潰れにくいので、ハムバッカーのギターでマフを使いたい!という方には良い選択肢だと思います。

また4ピースバンドのリードギターでマフを使用していて音抜けに困っている方はノーマルモード+DOPINGスイッチを駆使して音抜けを確保できたり、逆にバッキングで常にファズっぽい荒めの歪みでかき鳴らしてみたい方はDOPING,1979スイッチをONでSUSTAINを低めにするなどが有効。

そして、前述のようにバブルフォントロシアンのスペアもしくはロシアンの低域は好きだけどボリュームと音抜けが物足りないという方は強くおすすめできます。

■注意点
とにかく2つのスイッチがSUSTAINとTONEに与える影響とノーマルと裏モードのキャラクターの違いから、かなり音のバリエーションが広いため、ただのマフ系というよりはMayonaise Fuzzを使ってどう今までの不満点を解消を解消するかorどういう音を出すか…みたいなイメージが無いとセッティングで迷子になりやすいかもしれません。

その場合、歪み量と2つのスイッチのどれをONにするかで出したい音のキャラを決めてから、トーンノブを最小から徐々に動かしてちょうどいいポイントを探すと音を決めやすいと思います。
  

以上、ナチュラルなマフの音に懐が広い2つのスイッチが組み合わさった非常に懐が広いファズだと思うので、BIGMUFFに初めて触れる方の場合、まずはノーマルモード、DOPINGと1979スイッチをOFFにした状態の一番スタンダードな設定で使い倒してみて欲しいですし、

BIGMUFFに慣れ親しんでいる方は一度「マフ系」というイメージと使い方のセオリーを捨ててSUSTIANとTONEを最小から最大まで、2つのスイッチとモードを駆使しながらファズとしてはもちろん、メインの歪みやブースターにしたり、自由にいろいろ試してみてほしい一台です。

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成分表示風のラベルがかわいい。

 


購入は各楽器店、もしくはUmbrella Companyが運営されているネットストアの
GIZMO-MUSICからも購入可能です。

gizmo-music.com

 

Stamps Amprification / Drive-O-Matic レビュー

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1990年代半ばにアメリカで発売されたオーバードライブ/ディストーション

フットスイッチでモードを切り替える方式の走りだったようで、

当時アーティスト使用も結構あったことから、90~00年代の初期ブティック系の

中ではちらほら名前を耳にすることがあるモデルな印象でしたが、

国内外含め動画レビューがちらほらあるくらいでそこまで知名度

高そうではない感じもします。

 

こちらの海外レビューが結構参考になります

aionfx.com

 

↑のサイトや海外の回路図のフォーラムから情報を拾うと

RATの回路を基本にいろいろ改変されたものとのこと

 

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裏側はねじ留めのゴム足とねじ式の蓋がついた電池ボックス

筐体のサイズや形は違いますがRATっぽい雰囲気を感じます

ただボードに固定する場合は工夫が必要かも

 

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見た目より大きいです。横幅がちょうどBOSSコン2台分ほど

トップジャックなのでそこまでスペースは取らないですが、

画像で見るよりゴツいな!となります

 

コントロール

OUTPUT, PRESENCR, A⇄Bスイッチ, ドライブノブ2つ

左側のスイッチがエフェクトのON, OFF、右のスイッチでそれぞれのドライブノブで設定したゲイン量を切り替える仕様

 

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モードの切り替えとエフェクトON, OFFのインジケータは共有

LEDの光の強弱でオンオフを表現してるのはなかなか見ないので新鮮。

 

音の印象は、結構モコモコ、モリモリといった感じで、あまりRATの印象は無いです。

どちらかというとT-REXのMUD HOUNEYに共通点を感じる切っ先の丸さがあります

PRESENCEは実質的なトーンで、歪みのザリザリした質感を調整できます

これもRATとは利きが逆ですが、右回し最大が通常で左に回すとハイカット的な利き方。

こもるかどうかギリギリくらいのかなりふくよかな音なので

単体での使用ではシングルコイルというか細い音のギターのパワーアップに

向いているかも

 

OUTPUT(ボリューム)は十分。圧を感じる帯域がしっかり持ち上がっていることもあり、最大ではかなり大きく感じます

 

A⇄Bスイッチはドライブ1,2両方に効くスイッチで、おそらくクリッピング切替?

B(下)ポジションでは歪み感が強く気持ちローミッド強め、A(上)ポジションでは

若干オープンで明るい印象ですが結構微妙な違いです

 

ドライブ切り替えはゲイン量だけではなく、1と2で音のキャラが少し違います

ドライブ1(右側黄色LED)は歪み量低めでオープン、ドライブ2(左側赤LED)はすこし圧縮感があり歪み量強め

歪み量はどちらのチャンネル最大にしても浅く歪み切らない感じ

ジャキジャキ感・コードの明瞭感・歪み切った力強さみたいな

「現代的ないいサウンド」とは無縁の音です

RATを元にしているからか、一般的なオーバードライブのように

原音感が混ざっていたりコンプ感があったりは無く、音の芯から歪んではいる…

でも歪みは浅いので歪み切らず、歪みの切っ先部分だけがバリバリと

荒く鳴るようなサウンドです。

粘りがあるように感じるのと、単音でフレーズを弾いたときの

弦のプリっとした質感があるので、ソロで弾くと色気があります。

 

ここまで見るとかなり扱いにくいペダルに感じますが、

アンプやほかの歪みエフェクターの前段に歪むブースターとして組み合わせると

上記の特徴がすべて良い方向に働き、パワーコードでもソロでもいける

重厚なハードロック向きのディストーションになります。

 

基本のいい音はアンプやほかの歪みに任せてブースト感に関わる部分に

特化しているというか、

芯から歪んでいてちょっとこもり気味な出音+耳に痛くはないがバリバリと

荒い切っ先の歪みが組み合わさっているのがゲインブースターとして優秀なんだと思います。

 

クランチ程度に軽く歪むものであればアンプ・ペダル機種問わずポテンシャルを発揮できます

一般的なオーバードライブのブースト感とは違い、ローがあまり削れず
残るので、そこも迫力につながっているのかも

 

ギター側のVolによる追従はそこまで良くないですが、それが逆に

ギターVol絞った状態からONにしてもしっかりしたブーストが得られて

ちょうど良い塩梅です。

ドライブを2種類切り替えられるのでそれでゲインを調整できるし

よく考えられていると思います。

 

前段のバッファの影響は受けず、どの位置でも図太いブースト感が得られるのでそのあたりも扱いやすいですね。

 

以上、癖は強く、現代のニーズからは外れるかもしれないですが

時代の音を感じる、図太く奥深いペダルです