DOD / FX15 Swell Pedal レビュー

f:id:nota_p:20260404155626j:image

DODから1984年発売のスロウギア系のペダル。DODの初期のペダルの中でも比較的レアなモデルで、同じジャンルのBOSSのSG-1 Slow Gearと比べて操作に癖があったのもあり、当時からあまり人気がなくすぐにディスコンになってしまったようです。

 

■コントロール/仕様

コントロールは左からDECAY, ATTACK, CUT/BOOST。このペダルの最大の特徴は、通常のスロウギア・スウェル系のペダルのように入力音を検知して自動で効くのではなく、モーメンタリー動作でスイッチを踏んだ時にCUT/BOOSTで設定した分信号がカットorブーストされ、スイッチを離すとDECAYで設定したバイパス音量に戻ります。

DECAYがスイッチを離した後にバイパス状態に戻るフェード時間、ATTACKがスイッチを踏んだ時にCUT/BOOST設定値に到達するまでのフェード時間をそれぞれ設定するノブです。CUT/BOOSTは12時で±0dbなので真ん中に設定していると変化がないです。カット/ブースト幅は-37dB ~ +14dBらしい。

 

電池駆動可能。電流消費はバイパス時1mA/h以下、踏んでいるときは2mA/hで非常にエコノミー。電池駆動余裕で使いやすそうです。

 

■音の印象/バッファ

基本歪んだりするわけではなく音量を操作するだけなので音の変化はありません。スイッチを踏んだ時も離した時も音は変わらず。同年代BOSSのバッファと比較するとちょっとだけまろやか。悪い感じはしないです。スイッチを踏み込むときも音切れや遅れ等無く、結構リニアに反応してくれます。フェード具合をLEDの強さで表示してくれているので、単純にモーメンタリーなのに感圧式のスイッチを踏んでいるような印象。操作感は慣れればストレスなく、かなりいいです。

 

f:id:nota_p:20260404155647j:image

中身はかなりシンプル。

若干フェードの傾斜が急な感じありますが、そこはトリマで微調整可能。トリマは最小がデフォルトで、12時以降は正常に動作しないので、動作させながら回して確認するのが良いです。

カット設定は最小-37dbなので、普通にクリーンだと消音~フェードインにできますが、前段で過剰にブーストしていたり、後段で結構歪ませたりしていると消音まで行かず、少し音が残ります。また、DECAYを最小設定にしても即音が戻るわけではなく、0.3秒くらいかけてふんわり戻ります。ATTACKは最小設定だと即、目的の音量まで到達してくれるので、この設定の違いに少し戸惑うかも。

ブーストは+14dbで音量を瞬間的に大きくしたり歪みを増すのにはちょうどいい塩梅。クリーンブーストで、特に味付けはないです。

 

■使い方

「ブースト方向はともかく、カットに関してはボリュームペダルで音量操作するのとあんま変わらないじゃん」という人もいると思いますが、ちょっとだけ動作が違います。このペダルの大きな特徴として、

①DECAYで音量が戻っている途中でもスイッチを踏んで起動できる

②同じく、ATTACKで音量が設定値に向かっている途中でもスイッチを離してキャンセル(DECAY時間かけて戻る)できる

③スイッチを踏み続けているとCUT/BOOSTを維持できる

④そもそもカットだけでなくブーストできる。

⑤ATTACKを最小にするとスイッチを踏んだ瞬間にCut/Boostの設定値に向かえる

⑥スウェルさせるタイミングを任意で行える

この6つが大きく、例えばボリュームペダルはボリュームをゼロに落とすときに足の動き分の時間が必要ですが、Swell Pedalであればスイッチを踏んだ瞬間に音量をゼロにすることが可能。また⑥のように入力感度で効果がかかる通常のスロウギア系ペダルとは違い、フットスイッチを踏んで任意に音量を操作できるので、ファズ等のダイナミクスがなくなるペダルの後に置けたり、ピッキングミスでの誤動作を防ぐことができます。

 SwellPedalの操作感はカット方向では通常のスウェルペダルのような使い方ではなく、踏んで音量を下げる→ギターを弾く→ペダルから足を離して音量を戻す…というような、どちらかというとギターボリュームを使用してのヴァイオリン奏法の操作性に近いので、そこに慣れれば体の一部のように使えます。ただ、通常のスロウギアのようにピッキングの一音一音をスウェルさせようとすると足が疲れる(不可能ではない)ので、そこが人気でなかった理由かも。そもそもコンセプトが違う感じがしますね。

 

 以上、リバーブやサステインが長い歪み、コンプ、サスティナー等と組み合わせてパッド的な音を出したり、歪みの前にこのペダルを置き、踏んだ瞬間だけブーストするようにして短いフレーズの歪みを増やしたり、リバーブタンクを蹴るように効果音的な音や人力トレモロ等の使い方もできるので、ただ音量の上下だけのペダルですがインスピレーションや組み合わせ次第でいろいろな使い方ができる、現代でも有用なペダルです。プレミアがついており、残念ながら入手が難しいペダルですが非常に面白いのでみつけたらぜひ。